高橋 陽大 君

  • 留学期間 2017年2月~2020年12月 4年間(2016年 短期留学)
  • 留学先学校 ロトルアボーイズハイスクール Year10~Year13

僕が留学したきっかけは、小学生の時に所属していたラグビースクールのコーチであり、キックオフNZさんのOBでもある鳴尾裕貴くんのお父さんの勧めでした。

紹介してもらったキックオフNZさんの個人相談会に小学生6年の時に初めて行かせてもらい、色々と話を聞きました。その時は、中学生になったら短期留学をしますと言って帰ってきました。

実際に短期留学に行ったのは、2015年7月、中学2年生の夏休みでした。

留学先のロトルアボーイズハイスクール(RBHS)の副校長の自宅にホームステイをさせてもらいました。到着した日に、上野さんもホームステイ先で出迎えてくれました。

到着して2日後には、学校に通うことになりました。

学校には、自分のクラスというものがなく、選択した授業にあわせて教室を移動します。最初は、教室の場所が分からず迷子になりました。勇気をふりしぼってたどたどしい英語で生徒に話しかけて教室を教えてもらいました。生徒や先生はとても親切で優しく色々と助けてくれて、すぐに馴染むことができました。

留学期間は3週間の予定でしたが、到着して一週間後に留学の延長をしたいと母に電話しました。

その後、U14 SUPER8のメンバーに選ばれたので、更に延長して結局帰国したのは9月を過ぎてからでした。

短期留学を終える時に、U14で一緒にプレーしたメンバーに「来年絶対帰って来いよ」と言ってもらい、必ず長期留学をすると心に決めました。

短期留学から半年もたたずに、4年間の長期留学に出発しました。

短期留学の時も、英語の勉強など特に準備しなくても大丈夫だったので長期留学も同じ感覚で出発しました。

でもやっぱりしっかりと準備をしておかないといけないと思いました。英語が話せない、聞き取れないので、ラグビーのコーチやメンバーとのコミュニケーションがうまく取れず、練習すら満足に出来ない状態でした。

そんな時、キックオフNZの上野さんは、学校や寮に来てくれてコミュニケーションの取り方や、考え方などをアドバイスしてくれました。心細い時に、上野さんの顔を見ると本当に安心しました。アドバイスのおかげで、2か月ほど経つとある程度コミュニケーションをとれるようになりました。

僕が留学したRBHSは、マオリの文化を大切にする学校で、ハカやマオリカービングなどとても興味深い経験をさせてもらいました。

また、ラグビーでは、素晴らしい経歴のコーチの指導を受けられるし、天然芝のラグビー専用グランドで練習が出来たり、本当に恵まれた環境でラグビーをすることが出来ました。

留学中に、他人に頼りすぎず、自分で考えて行動することで自分の力になるということを学びました。その考えにより、ラグビーでも成長出来たと思います。

4年間で、ラグビーでの大きなケガはありませんでした。

1年目にU15、2年目にU16で地域の代表(Bay of Plentey)に選ばれました。

3年目には、Chiefs U18に選出され、ニュージーランド高校代表最終候補にも選ばれました。4年目には、Chiefs U18選出に加えて Chiefs U20の候補にも選ばれました。

ニュージーランドのラグビーでは、僕のポジションであるプロップでもフィールドプレーが要求されます。日本との違いに最初は戸惑いましたが、今では自分の強みだと思っています。

そこを評価してもらえたのか、僕は2020年12月、神戸製鋼コベルコスティーラーズに入団することができました。

子供のころから憧れていたチームに入団できたのは、留学が大きな分岐点だったと思います。

キックオフNZさんでは、学年初めに短期的、長期的な目標のゴールセッティングを行います。それをやることで自分の考えもまとまるし、目標が分かりやすくなりとても助かりました。そのおかげで、ラグビーだけに没頭するのではなく、勉強もきっちりするという意識が持て、NZの大学入学資格(UE)も取得することができました。

キックオフNZさんのサポートとNZの優しい人々のおかげで充実した楽しい4年間の留学生活を送ることができました。本当にありがとうございました。

留学を考えている人は、勇気を出して一歩目を踏み出してください。きっと新しい未来が待っていると思います。

(高橋 陽大)

「オレNZに4年間留学するから」

短期留学で貰ったハカのフォーメーションが書かれた紙を片手に息子が言いました。

3週間の予定で出発した短期留学が、2度の延長により結局1か月半も滞在した時点でこう言ってくるのは予想していましが、やはり戸惑いました。

息子の長期留学は考えていなかったので、何から検討したらいいか分からず、キックオフNZさんに相談させていただきました。

留学させると仮定して、私たちが一番心配したのは、息子が時間を守ることや、規律を守ることなどといった自己管理が出来るのかという点でした。その点を改善してくれたら留学を前向きに検討すると本人に伝えましたが、一向に変わる気配はありませんでした。

何度も話し合ってもらちが明かず、留学は諦めさせる方向でまとまりかけました。

でも、私たちが息子の短期留学の時の生き生きとラグビーをプレーする姿が忘れられず、結局タイムリミット当日に「4年間よろしくお願いします」とキックオフNZさんにメールをしました。

大した覚悟も考えもないままに2017年1月末、長期留学に送り出しました。

到着後、留学先のロトルアボーイズハイスクールでの授業の選択や制服の採寸などにもキックオフNZさんは立ち会って下さり、その様子をメールや写真とともに報告してくださりホッとしたのを覚えています。

留学1年目の最初のうちは、心配でよく連絡していましたが、何を聞いても息子からの返信は「大丈夫」か「分かってる」でした。

もっと息子の環境や状況を知りたい、心配だらけの不安な気持ちの私たちを理解し寄り添ってくださったのが、キックオフNZの上野さんご夫妻でした。

お忙しい中、よくラグビーの授業に行って写真を撮ってくださりました。たくさんの写真の中から息子の姿を探し、その表情から息子の心情を読み取ろうと必死でした。

キックオフNZさんでは、毎年留学が始まるころに短期的、長期的なゴールセッティングを留学生に作らせてくれます。

本人が作ったゴールセッティングを基に、キックオフNZさんと面談しさらに具体化し、完成版を私たちにメールしてくださいます。親子だからこそ逆になかなか聞けない本音や思いなどをゴールセッティングから知る事もでき、本当にありがたかったです。

留学期間が1年、2年と経つごとに息子は心身ともに成長し、留学前あれほど心配していた自己管理もきっちりと出来るようになっていました。成長した息子を見て、私達は、息子を信じ見守ることがいかに大切かを学びました。

そんな中、留学のターニングポイントになる事がありました。

2年目の5月に膝の傷口からバイ菌が入り化膿して手術を行いました。その際にもキックオフNZさんは、手術前から詳細な説明と保護者の代理として、とても親切な対応をしていただき親子共々安心しました。

1年目のU15地域の代表(BOP=Bay of Plenty)に続いてに2年目早々にU16 BOPも選出されましたが、このけがの影響で1か月半練習・試合が出来なくなり7月末にU16 BOP代表から落選しました。

その知らせは、ロトルアを訪問していた私たちの前で息子に連絡が有り、その時の落胆した顔が今でも忘れることができません。

しかし、上野さん夫婦が息子と私たちを励まし、前向きに取り組めるようにコミュニケーションを頻繁に取っていただきました。

息子自身が、もう一度選出されるにはどうするべきかを短期間で考え、練習・試合で頑張り、コーチに認めてもらい無事に再び選出されました。

この時もキックオフNZさんには、たくさんのフォローしていただきました。

このU16 BOP大会での活躍が注目され、3・4年目での1st XV(1軍)スタメン出場U18チーフス代表に連続して選出されたと思います。

2020年は、NZ国内のラグビー大会が開催されましたが、コロナの影響でU15等の大会は中止になり、また1st XVの全国大会は中止になりました。かろうじてリーグ戦(スーパー8)は開催されました。毎週末、試合毎に強くなるRBHSをネットの中継で見て、NZ高校ラグビーのレベルの高さに驚きました。その中で、逞しく毎試合フル出場する息子を見て感動しました。

留学4年間で息子は、色々と経験し自主的に行動する重要性を凄く学んだと思います。

留学3年目を迎えるまでは、常に1st XV(1軍)のスタメンで出場するにはどうするべきかを考え、帰国後もトレーニングに励んでいましたが、その反面、日本の家庭料理を食べ過ぎる自分との戦い、結局、帰国中の2か月弱で増量しロトルアに戻るを繰り返しました。

また、家族・友人を大切にするNZの方々に優しく迎えられ、感謝することも学びました。ロトルアの大自然の力を吸収し心身ともに成長し、大きなけがもなく無事に帰国し私達も安心しました。

キックオフNZをお勧めする一番のポイントは、現地の高校の校長・先生・コーチ全員との強い信頼関係と、留学生へのきめ細かいフォローです。

キックオフNZさんは、留学生の学業・ラグビーアカデミー・ラグビーの試合の写真をメール等で近況を報告してくれました。家族全員でその写真を楽しみに4年間を過ごすことができました。

この思い出や感謝の気持ちは書ききれませんが、私たちは「留学させて良かった」この一言に尽きると思います。

留学でお世話になったキックオフNZさま・NZの方々、本当にありがとうございました。

(高橋陽大 父:高橋 昭  母:高橋 るり子)