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このブログでも何度か「多様性」について書いた。

ニュージーランドはいろんな文化、いろんなバックグラウンド、いろんな国籍、いろんな言語などを持った人達が一緒に暮らしている、ダイバーシティの国だ。先日も書いたけれど、もう何がマジョリティで何がマイノリティなのかよくわからないこともある。

日本でも最近、LGBTの話題などを中心に「多様性(ダイバーシティ)」について語られることも増えてきたようだ。とてもいいことだと思う。

でもダイバーシティの国ニュージーランドで20年以上暮らしてきて思うのは、多様性には「受け入れる」という態度が必ず求められることだ。

単に、「いろんな人がいます。それは理解しています。」というだけでは、ダイバーシティの国で物事はうまく進まない。

自分の周囲には自分と違う人達がたくさんいて、裏を返せば自分もその一人で、もっと言えば、人はひとり一人違っている。

そしてそれをひとり一人がまずは「受け入れる」ことが大切で、全てはそこから始まる。

「世の中にはいろんな人がいるのね。わかりますよ。でも私の周りには来ないでください。」とか「ひとり一人違うといっても、同じところもあるのだから、同じところだけ見て一緒に過ごせばいい。」というのは、受け入れているとは言いがたい。

受け入れるというのは、自分と違う文化、自分と違うバックグラウンド、自分と違う国籍、自分と違う考え方、自分と違う感じ方、自分と違う判断、などを持つひとり一人の人間がいることを理解し、その上で、一旦はそれらの違いを自分から引き受けに行くというような態度だと思う。

「受け入れる」というのは、漢字では「受」と書くので受け身のような印象を受けるけれど、実は自分からかなり能動的に考えて行動する態度が必要な行為だ。その上、自分が理解できないことまで受け入れるのだから、相当の覚悟もいる。

だから、「多様性」と「受け入れる」をセットで考えて行動に移すことは、自分の周囲にいろんな人がたくさんいて、自分もその一人で、理解できないこともあり、理解されないこともある、ということを、強い覚悟を持って自分から能動的につかみ取るという行為なのだと思う。

日本から一度外に出て、今までと違う国で、違う文化の中で、違う人達と、違う言葉で生活をすることで、多様性を理解するだけではなく、それを「受け入れる」という能動的な態度と強い覚悟を持つことができると思う。