NZの小学生のディスカッション

先日、ある小学校の先生の話を聞く機会があった。

その先生が教えているのは、週に一度行われる特別クラスだ。そのクラスでは、Year 3、Year 4 の児童、日本で言えば小学2年生、3年生の児童を対象に、ディスカッションも行われる。ディスカッションの授業では、テーマを与えて児童に自由に討論させることで、多角的に考える力を身につけることを目指す。

例えば、こんなテーマを与えて、小学2年生、3年生がディスカッションをするそうだ。

「貴方は特殊なタンクの中に横たわっています。意識はありません。全身にはたくさんのチューブが取り付けられています。そして、脳に刺激を与えられ、想像の中で貴方は何にでもなれます。大金持ちにもなれるし、アーティストにもなれるし、自分の好きな人生を生きることができます。でも、現実にはタンクの中で脳に刺激を与えられることで、想像の世界に生きているだけです。さて、貴方は、目覚めたいと思いますか。それとも、ずっとタンクの中で想像の世界に生き続けたいですか。」

このテーマで、児童は様々な自分の考えを述べるという。もちろん、そういうディスカッションが苦手な児童もいるだろう。けれど、みんなの意見を聞き、それについて、考えるだけでも、参加する児童に与える影響は大きいだろう。

この授業には、正解がない。目覚めると答えた人は正解です、などという評価もないし、基本的に何を言ってもいい。与えられたテーマについて考え、発言し、人の意見を聞くこと、それ自体が勉強だ。

ニュージーランド全ての小学校で、同じような授業が行われているわけではないけれど、このような授業を7歳や8歳で受けて大きくなっている子どもたちも確実にいる。

さて、貴方は、目覚めたいと思いますか?それとも、そのままタンクの中で一生を終えたいですか?

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