言葉の限界
UenoT何度も書くようだけれど、留学生達には、留学生活を通して自分で考える態度を身に付けてほしいと、私達は思っている。
だから、彼らと話をする時には、できるだけじっくりと話を聞くようにしているし、彼らが自分で考えることをサポートするような質問を投げかけるようにもしている。
誰でもそうだけれど、考える時には言葉を使って考える。口から言葉を発していなくても、考えている時には頭の中で言葉が動いている。
でも、留学生達を見ていると、たまに、言葉で考えて行動しているのではなく、直感とか感覚とか感情とか、言葉の範囲を超えたところで判断し行動する。よく考えるとそんな発想や判断、行動はしないであろう、ということをする。
それはとてもいいことだと思うし、同時に、言葉で考えて判断して行動することの限界もそこに感じる。
特に十代の若い人達は、言葉で考える他に、直感とか感覚とか感情とか、そんなものに、いわば突き動かされるように行動することがあって、それは、私達が彼らに求める、「（言葉で）考える態度」を超えたもので、そしてそんな行動が、十代の彼らにはやはり必要で、もしかしたらそんな行動は彼らにとって「正しい」行動なのかもしれない、とも思う。
冷静に考えれば、つまり言葉を使って考えれば、そんな判断や行動にはならないのではないか、と大人の我々は思うときでも、「私はこれを選びます」とか「僕はこの道を進んでいきます」と彼らは言う。それはきっと、彼らの直感、感覚、感情がそうしなさいと叫んでいるのだと思う。
歳を取ってくるとどうしても、冷静に、言葉を使って、考えようとする。それでもいいのだろうけれど、直感で決めましたという行動、そんな、言葉を超えた彼らの行動から、我々も学ぶことがたくさんあるように思う。
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