3つの質問に1つの答え
留学生中は日本語でSNSなどをせずに、英語環境にどっぷりと浸かるべきだ、と思うし、留学生や親御さんにも、いつもそう伝えている。
とは言え、日本の高校3年生に当たるYear 13の学生で日本の大学を受験する人達や、ポリテクに通う学生などは、ネット環境は必須だし、日本語で調べ物をすることも多い。また、私達も、時間や曜日を問わず、進路や勉強などのいろんな質問や相談に乗ることも多い。
そんな時には、フェイスブックのメッセンジャーなどでのやりとりは非常に便利だ。
ただ、フェイス・トゥー・フェイスでの会話と違って、メッセンジャーでの文字での会話は、意思疎通がうまくいかないこともある。特に、高校留学生で、今まで大人とSNSやメールでの会話をほとんどしたことがない人や、日本語での読書量が極端に少なく読解力があまりない人との文字での会話は、なかなか難しい。
例えば、こちらから3つの質問や確認をメッセージで送っても、最後の質問や確認に対する答えしか返ってこないことも多い。そんな時には、一つ目と二つ目の質問・確認をもう一度送信するのだけれど、また二つ目の質問・確認に対する答えしか返ってこず、三度目の正直で一つ目の質問・確認をして、やっと全ての答えが返ってくる。
答えが返ってくるならまだいいのだけれど、こちらから質問や確認をしているのに、さらに質問しか返ってこないこともあるし、こちらの質問の意図をなかなか理解してもらえないこともある。
もちろん、Year 13やポリテクの留学生の中には、こちらが書いたことに的確な返信をくれる人もいるけれど、少数だ。
留学生の中には、将来は世界で活躍することを夢見ている人も多い。だから、日本語での読み書きなどはできなくてもかまわない、と考えるかもしれない。でも、日本で生まれ育って日本からニュージーランドに留学に来た人は、逆に日本語での読み書きができることが、留学中も将来も求められることは実は多い。「私は中学生から海外に留学していたので、日本語の読み書きは苦手です」というエクスキューズはできるだろうが、周囲の評価は「この人は日本で生まれ育ったのに日本語ができない人」となるだろう。
留学中に我々大人と日本語でメッセージをやりとりするのは、日本語の読み書きを覚えるチャンスでもある。特に、日本の大学に進学を希望し、入試や出願時に小論文や志望理由書の提出が必須の場合や、ポリテク卒業後に日本を含めて仕事を探す予定の人は、この機会に日本語での読み書きの力をきちんと伸ばしておくのもいいと思う。
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