4年後のワールドカップ開催に向けて
10月に日本に行って感じたのは、電車やバスの中で席を譲ったりする人や、後ろから来る人のためにドアを開けて待っていると「ありがとう」と言ってくれる人が増えたことだ。
わずか3週間ほどの滞在だったし、東京と関西圏しか行かなかったので、ずっと暮らしている方がどう感じているのかはわからない。けれど、昨年9月に滞在した時よりも今回の方がそんな光景をよく見たように思うし、私が日本で暮らしていた19年前に比べるとはるかに多かった。
他人に対して手をさしのべ、気を遣う人達が増えてきたのだろうと、私はかってに思っている。だから、小さなことかもしれないけれど、子どもを連れて外出するお父さんお母さんや、ゆっくりなペースでしか歩けない高齢者の方々も、町の中が以前よりは少しは暮らしやすくなっているのではないか、とも思う。
ただ、人々が他人に優しく接するようになった反面、ハードの部分はまだまだ人々に優しくない作りになっていることも感じた。東京も大阪も、バリアフリーにはほど遠いし、レストランやお店の入り口が狭くて車いすが入れないところも多い。特に駅周辺は、階段だらけで、ベビーカーを押した人、車いすの人、重い荷物を持った人は、とてもつらいだろう。エレベーターやスロープもあるにはあるけれど、そこまで行くのがとても狭くて遠かったり、ひどいところだと、エレベーターを降りて目の前に階段があったりした。また、ほとんど全てのトイレが階段と階段の間に設置されている有名百貨店もあった。
4年後のラグビーワールドカップ、5年後の東京オリンピックとパラリンピック開催に向けて、日本もハードの部分をかなり変えていく必要があるのではないだろうか。
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