試合後に
弊社の高校留学生の中には、ラグビー留学生も何人かいる。
5月末、高校ラグビーの地域の大会が中盤戦を迎えようとしている。ニュージーランドの高校、特に強豪高校では、1軍から2軍、3軍、4軍、そして年齢別のU16、U15、U14、U13などの複数のチームがあるけれど、基本的にはどのチームも大会に参加できるので、誰もがシーズンを通して試合に出場するチャンスがある。
毎週土曜日の試合の後、ラグビー高校留学生達に、「今日の試合はどうだった?」と聞いてみる。すると、「よかったです」「まあまあです」「勝ちました」などというメッセージが返ってくるなかで、たまにこんな返信もある。
「今日の試合は、相手のフォワードが強かったので、なかなかボールを取ることができなかった。自分としては、パスはうまくいったけれど、タックルのミスが多く、もっと体を強く鍛える必要を感じた。結果は勝てたけれど、チームとしても自分としても、たくさんの課題が残った試合だった。」
チーム全体の状態を分析し、その結果のプレーを反省し、自分のプレーを分析し、その結果今後の課題を発見する。私の「どうだった?」という一言の質問に対して、これだけ具体的かつ客観的な分析と意見を返すことができる高校生がいる。
試合のたびに、私がどうだったと聞くので、彼はあらかじめ答えを考えていたのだろうか?私は違うと思う。私の「どうだった?」という一言にこれだけ具体的客観的に即答できるのは、おそらく普段から自分自身で、試合の後、内容を思いだし、反省すべきところは反省し、そこから課題を見つける、という作業を、自分のために毎回やっているのだと思う。だから、私の質問にもすぐに答えられる。
こういう返事を返すことができる高校生は、必ずスキルも上達し、周囲の評価もあがっていく。現在彼は、留学2年目にも関わらず、強豪高校の1軍の練習に参加するまでになった。
ラグビーやスポーツだけではなく、勉強でも、留学生活全体でもそうだけれど、自分自身を客観的に見つめ、反省点を洗い出し、そこから課題を見つけて、実行する。そんなことを習慣化している人は、その実力を確実に伸ばし、その結果、周囲の評価も上がっていく。
あるラグビー高校留学生を見ていて、そんなことを感じた。
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