情報は自ら取りに行く
日本から来た留学生たちは、日本とニュージーランドの様々な違いに最初戸惑う。日本では当たり前だったことがニュージーランドでは当たり前ではなかったり、日本で自分も含めて多くの人が無意識にやっていたことが、ニュージーランドでは誰もやっていなかったりする。
「誰に聞いても詳しいことを知らない」というのもその一つだろう。「どういうこと?」と思われる日本の方もいらっしゃるだろうが、留学生ならその意味がわかると思う。例えば、学校で何かのイベントがあるときに、いつ、どこで行われるのか、友達に聞いても、先生に聞いても、スタッフに聞いても、みんな違うことを言ったり誰も知らなかったりする。先日も私の娘の小学校でクロスカントリー(長距離競走)が行われたのだけれど、ある人は「来週火曜日にあるよ」と言っていたのだが、担任の先生は「そんなことは知らない」と言う。火曜日にあると言っていた人も「何時からかは知らないわ」などと言う。一事が万事こんな調子だ。
だから、日本の学校のように、生徒だからといって先生から何か伝達や指示があるまで待っていると、大切なイベントに参加できなかったり、重要な書類をもらえなかったりする。
つまりこの国では、情報は待っていても得られないし、そもそも多くの人が正確な情報を持っていない。だから、情報は自ら動いて集めるのが基本だ。「きっと誰か友達が教えてくれる」とか「必ず先生が指示をしてくれる」などと思ってじっと待っていたら、他の生徒がみんな参加しているイベントに参加できなかったり、遅れていったりすることになりかねない。
「そんな殺生な。留学生だからもっと丁寧に教えてくれてもいいだろう。」とおっしゃる方もいるだろう。確かに、最初は教えてくれるだろう。でも、そもそも誰も詳しいことは知らないのだ。そして、この国のやり方がそうなのだから、いつまでも受け身で待っていては、いずれ誰も何も言ってくれなくなる。例え英語ができなくても、情報は自分から積極的に取りに行く、という態度を身に付けなければ、大切なチャンスを逃してしまう。
そしてこの「情報は自分から積極的に取りに行く」という態度を身に付けることは、これから日本だけでなく世界で活躍する今の小中高校生には、必ず求められる態度だと思う。この態度は、「誰かが必ず助けてくれるだろう」日本の環境では体得することは難しい。留学をして、「誰に聞いても詳しいことを知らない」環境でショックを受け、いくつかの失敗を重ねたあげくに身につく態度だ。
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