コーチが選手をどならないのは
日本で高校の先生とお話をした時、リスペクトの話になった。
私が、「ニュージーランドでは、子どもの頃からリスペクトの大切さを徹底的に教えられ、社会全体で生活の一つの規範になっている」と言うと、ある先生が、「ニュージーランドのリスペクトと日本のリスペクトの意味が違うように思う」とおっしゃった。
「日本では、例えば芸能人やプロスポーツ選手が、尊敬する人に対して、○○さんをリスペクトして歌いますとか、△△選手をリスペクトしてプレーします、などと言います。ほとんどの場合、なにか偉業を成し遂げた人や、自分が尊敬する人、年上の人や立場が上の人に対して、リスペクトという言葉を使います。」
とのことだった。
もしそうであるならば、ニュージーランドのRespect と日本のリスペクトは、根本的に違う。
ニュージーランドのRespect は、以前にもこのブログでも書いたけれど、相手を理解しようと努力するところから始まり、そのような態度を身に付けるために、相手のことを想像し、相手の視点からものを見て、相手の尊厳を守ることだ。だから、対象となる相手は、赤ん坊から大人まで、そして人間以外の組織や団体など全てが含まれる。
例えば、ラグビー王国ニュージーランドでは、子どものラグビーの試合の時、コーチが選手をどなったり、しかりつけたり、ましてやののしったり叩いたり、絶対にしない。それは、コーチが子ども達をRespect しているからだ。もちろん、子ども達もコーチをRespectすることが求められるし、親も観客もレフリーも、それぞれがそれぞれをお互いにRespectする。
もっと言えば、選手、コーチ、親、観客、レフリーなど、そのラグビーの試合にかかわる全ての人が、ラグビー協会などの団体も含めて、ラグビーそのものをRespect する。逆に言えば、それぞれの人達がラグビーにかかわる人やもの全てをRespectしようとするからこそ、試合の時に誰に対してもそういう態度で臨むことができる。
それは、ラグビーに限らず、学校でも家でも、日常生活において全て同じだ。
買い物に行った店でも、公共交通機関で乗り合わせた人にも、ネットの向こうにいる人にも、年齢や立場に関係なく、全ての人やものをRespect する態度で接する。
それがニュージーランドのRespectだ。
そしてこれは、子どもの頃から厳しく徹底して教えられ、大人になるまでに身に付けていく。
日本の高校の先生と話をして、Respectがニュージーランドの社会の大きな規範の一つになっていて、それがニュージーランドの文化や習慣、考え方、人々の行動に大きな影響を与えているのだと改めて感じた。
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