What do you want?と聞いたからには

ニュージーランドでは、子どもでも、What do you want?とかWhat do you think?と聞かれる。

話はそこから始まる。

そして、What do you want?やWhat do you think?に対してなにか答えが返ってきたなら、質問した人はまずはそれを受け入れようとする。

What do you want?とかWhat do you think?と聞いて、「私はこうしたい」とか「私はこう思う」という返事に対して、「そんなことできるわけがない」とか「そんなこと考えてもどうしようもない」などというのは、厳禁だ。

でも特に大人が子どもに対して、What do you want?やWhat do you think?と聞いたときは、そういう間違いをおかしやすい。

例えば、大人が子どもに対して「今日なに食べたい?」と聞いて、子どもが「マクドナルド!」と言ったとき、「そんな身体に悪いものはだめ!」と言ってしまう。例えば大人が子どもに対して「担任の先生好き?」と聞いて、子どもが「好きじゃない」と言ったとき、「いい先生じゃないか」と言ってしまう。

やりたいことや考えをわざわざ聞いて、それに子どもが答えているのに、その答えを大人が頭から否定する。それでは、What do you want?とかWhat do you think?と聞く意味がないし、答えるほうも、もうそれ以降は素直に答える気にならないだろう。

「マクドナルド!」という答えが返ってきたなら、「マクドナルド、いいね!」とまずは受け入れればいいのだ。「担任の先生好きじゃない」という答えが返ってきたなら、「そうか、好きじゃないんだ」とまずは肯定すればいい。

そしてもし、子どもにマクドナルドを食べさせたくなかったり自分は他のものが食べたいなら、一旦子どもの言うことを受け入れてから、それをうまく伝えればいいのだ。もし、大人として担任の先生はいい先生だと思っていたなら、好きではないという子どもの考えを一旦受け入れてから、自分の考えを伝えればいい。

自分のやりたいことや考えていることを聞かれてそれを表現したとき、周囲がそれを一旦受け入れてくれたら、それからも自分のやりたいことや考えを伝えようとする。特に子どもはそうだろう。

What do you want?、What do you think?から始まる会話は、聞く人もそれなりの覚悟とスキルが求められるのだ。

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