終身雇用がなくなると
先月、日本の経団連の会長やトヨタ自動車の社長が、「終身雇用の見直し」について発言したことが話題になっていた。
いろいろとネットの情報を見ていると、一概に終身雇用制度が急速になくなっていく、ということはないという意見もあるけれど、おおよその流れとしては、これから日本では終身雇用制度はだんだんなくなっていくことが予想されると言えるだろう。
やはり、経団連や日本を代表する企業のトップが終身雇用制度の解体について発言した影響は大きい。
今まで続いてきた(ように見える)終身雇用制度が大きく変わるその影響を受けるのは、もちろん現役の社員達もそうだけれど、今の小中高校生も影響は大きいだろう。今までの親御さんの世代が持っている価値観が通用しない世の中になるのだから、自分たちは自分たちの世代の価値観で生きて行くことが求められる。
もし終身雇用制度が事実上なくなったら、ほとんどの人は人生で一度は必ず転職する、あるいは起業することになるだろう。大学を卒業して新卒一括採用された企業で定年まで働かない。つまり、新卒一括採用時点で履歴書に書かれていることではなく、その後に履歴書に書かれた人生が転職時に評価される。
もっと言えば、いわゆる一流大学を卒業したことだけで希望の企業に就職して終わりではなく、仕事を始めた後にどんな仕事をして、どんな資格をとり、どんな勉強をして、どんな人達と過ごし、そしてもちろんこれからどんなことができるのか、ということが転職の時に問われるようになる。
終身雇用制度が変われば、当然新卒一括採用制度も変わるだろうから、新卒一括採用制度で「勝つ」ことだけを目標にそれまでの生活を送っているのではだめだ、ということだ。その後の仕事、その後の人生、その後の生き方まで考える必要がある。
こう書くと、とてもあたりまえのことだと思う。長い人生、ある時点であるところに到達すれば後は安泰、ではなく、ずっと成長することが求められる。そしてそんな人生が充実した幸せな人生になるのだ。
新卒一括採用で「勝ち組」になるために、いわゆるいい大学に入り、そのためにいい高校、いい中学、いい小学校に入学する。そんな価値観だけでは、これからはうまくいかない。
今の小中高校生は、人生で一度は必ず転職するのだ。起業する人もいる。その時になにができるのか。どんな人になっているのか。そんなことも考えながら将来を見ていくことが求められるのだろう。
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