3年半後には海外からたくさんの観光客がやってくる

昨年は、5月と10月に高校留学相談会を実施して、年末年始にも日本に滞在したので、合計3回日本とニュージーランドを往復した。

ずっとニュージーランドで暮らしていると、日本に滞在したとき、日本の良さを改めて再確認することが多い。きめ細かいサービス、時間通りに到着するバスや電車、おいしくてリーゾナブルな値段の外食、など。やっぱり日本はすばらしい、と感じる。

ただ、おそらくずっと日本で暮らしていると気がつかないような、海外から訪問した者だからこそわかる、「?」と感じる部分もまだ少しある。

このブログでも書いたことがあるけれど、日本は本当に公共の場所に階段が多い。私が暮らすロトルアでは、一日町で買い物をしていても、階段どころか段差が気になることはほとんどない。先日、クライストチャーチにも行ってきたけれど、ベビーカーや車いすでの移動で、どうしようもなく立ち往生する、という場所はほとんどない。オークランドでもおそらくそうだろう。

でも、日本では、どこをどう通っても10段以上の階段を上らないと電車のホームにたどり着けない駅もある。ベビーカーや車いす、大きなスーツケースを持って移動している人は、一体どうしているのだろうか、といつも思う。

「最近は駅のホームにはエレベーターがついているだろう。それを利用すれば問題ないのでは?」とおっしゃる方もいるかもしれない。

でも実際にベビーカーを押しながら、あるいは車いすで、そして大きなスーツケースを持って、大きな駅でエレベーターに乗ってみればその不便さがわかる。まず、エレベーターがどこにあるのかわかりにくい。そしてたいていの駅では、エレベーターはホームの端に設置されている。そこまでホームの狭いところをベビーカーを押して、車いすに乗って、そして大きなスーツケースを引きずって歩いて行く。エレベーターを降りたらまた目的の場所まで延々と歩く。思うように移動できない人がエレベータを使うことが多いのだから、もう少し乗りやすく、移動距離が短いところに設置していてもいいと思う。

ただ、ハードの部分は、変えていくのに時間がかかるだろうし、10年前と比べるとかなりバリアフリーが進んでいるので、2019年のラグビーワールドカップや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、もう少し変わっていくことが期待できるだろう。

でも、ハードの部分だけではなく、ソフトの部分も、海外から滞在する人には、「?」と感じるところがある。

日本に出発前に、東京近郊のホテルから成田空港までのバスのチケットを購入しようと思って、購入サイトを見た。当然ネットでも購入できるようになっていたのだけれど、最後の最後で、「支払いは、当日現金で」と表示され、オンラインでは購入が完了できなかった。何故海外から滞在する人が多く利用する、成田空港行きのバスのチケットが、クレジットカードでオンライン購入できないのだろう?もう日本から海外に出発するという日に、成田空港行きのバス用に日本円の現金を残しておくことが求められるのは、4年後にオリンピックを行う国としては、どうかと思う。クレジットカードで買えるようにするのに、何か問題があるのだろうか。

また、ニュージーランドにいる間に購入して日本で受け取ろうと思って、ある通販サイトでクレジットカード情報を入力すると、エラーが出て購入できなかった。後で日本で聞くと、日本以外で発行されたクレジットカードは使えないそうだ。それならそうと、オンラインで表示されれば良いのだけれど、単にエラーだとしか出ないので、何が問題なのかが全くわからずにオンラインでの購入を断念した。

普段ニュージーランドでほぼ完全にキャッシュレスの生活をしていると、現金しか使えないとか、クレジットカードでエラーが出るという経験は、やはりストレスフルだ。それは、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックを観に行こうと思っている、世界中の人達も同じように感じると思う。

ラグビーワールドカップまで後3年半、東京オリンピック・パラリンピックまで後4年半。日本でしか経験できない、すばらしい部分もたくさんある。けれど、海外から来日した人達を「おもてなし」するのであれば、まだまだ変えて行かなければならない点もあるように思う。

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