TOEICは使えない

日本の大学入学試験で、現在数多くの大学・学部が採用する大学入試センター試験が、2020年1月の実施を最後に廃止され、大学入学共通テストという新しい試験になるという。

2021年1月には新しい試験が実施されるとのことなので、2022年4月から大学に入学する人達が対象だ。つまり、今の高校1年生が、3年生になって3学期にその試験を受ける第一期生になるのだと思う。

新しい試験では、国語と数学に記述式の問題が出題され、英語では、読み書き、聞く話すの4つの技能を評価するために、民間の資格・検定試験が採用される予定だとのことだ。

英語の民間の試験の採用については、いくつかの大学が反対表明を行っているというニュースもあるけれど、では民間の試験を採用せずに、どうやって英語の4技能の試験を実施するかとなると、大きな問題があるだろう。特に、話す技能の試験は、時間と費用が莫大だ。

もし民間の英語の試験を採用するのなら、おそらく、英検、TOEIC、TOEFL、IELTS、GTEC、ケンブリッジ英検などが候補にあがっているのだと思う。

民間の英語の試験は日本なら、英検やTOEIC、TOEFLなどが有名なのかもしれない。だから、高校1年生以下の人達は、今からそれらの英語の試験対策に取りかかっている人もいるだろう。

英語の試験と言えば、ニュージーランドの大学やポリテクに、英語を母語としない学生が入学申請する場合にも、英語力の証明として受験結果の提出が求められる場合が多い。

ただニュージーランドの場合、IELTSがその中心で、TOEFLやケンブリッジ英検などの結果も採用されているけれど、TOEICはいくら高得点でも資格自体が英語力の証明としては認められていない。

日本の方からすると、「こんなに一般的で有名なTOEICの試験が、大学出願時に資格として認められないなんて」と感じる方もいらっしゃるだろう。

でも、一歩日本を出てみると、英語の試験としてはTOEICは日本ほどメジャーな試験ではない。特にニュージーランドやオーストラリアなど、コモンウェルズの国々では、IELTSやケンブリッジ英検のほうが一般的だ。

日本の新しい大学入学共通テストの英語の民間試験がどのように利用されるのかまだ詳細はわからない。けれど、もし将来的にニュージーランドやオーストラリアの大学やポリテク、専門学校への進学も少し視野に入れているのであれば、もっというと、日本以外の大学進学も考えているのであれば、ニュージーランドのようにTOEICは使えない国もあることを、頭に入れておくのがいいと思う。

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