日本の大学入試の英語が変更に
日本の新聞で、センター試験に代わって導入するテストについてのニュースが掲載されていた。
それによると、「文部科学省は31日、大学入試センター試験に代わって2020年度に導入する大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の英語について、国が認定した民間の英語能力試験の結果を活用する案を示した。読む・聞く・話す・書くの4技能のうち「話す」と「書く」は同テストでは評価せず、民間試験に委ねる。将来は4技能全てを民間試験で評価する案も検討する。」とのことだ。(日本経済新聞)
このニュースによると、2020年度以降は、大学入学試験で英語の4技能「読む」「聞く」「書く」「話す」の力が評価されることになるようだ。その評価の方法として、TOEFLなどの民間の試験結果を活用する案が出ている、ということだ。
2020年と言えば後4年。今の中学2年生なら直面する問題だ。
これは、今のセンター試験は、マークシート方式でリスニングテストも行われるので、読む力と聞く力の2つの技能が評価対象となっているが、それに、書くと話すの2つの技能も加えて評価するということだ。
ニュージーランドで留学生をずっと見ているとわかるけれど、英語漬けの生活をしていると、まず聞く力が伸びて、その後話す力が少しずつついてくる。ただ、読む、書く、の2つの力を伸ばすには、自分で机に向かって勉強をする必要がある。
個人によって異なるけれど、聞く力の伸びは留学スタート後3ヶ月程度で自覚できるようになって、話す力は半年くらいはかかる人が多い。また、聞く力は、1年くらい英語漬けの生活をすれば、アクション映画を字幕なしである程度理解できるくらいの力はつく。
大学入試で4つの技能が評価されることになれば、高校3年生の2学期の時点ですでに、英語がある程度聞けて、話もでき、その上、読み書きもできる力が必要になる。
そう考えると、日本にいて普段は日本語の環境で、英語以外の科目の勉強や、放課後のクラブ活動もしながら、英語の聞く力、話す力をつけるためには、遅くても高校1年生になったらすぐに勉強を始めなければならないだろう。もし聞く力、話す力で高得点が求められる大学を受験するのであれば、中学生の時から英語に慣れ親しんでおいてもいいくらいだろう。
しかも、民間の英語の試験を活用するとなると、大学入学試験よりも前に何度か受験をすることになるだろう。どの程度以前までの試験結果が採用されるのかはわからないけれど、受験生心理としたら、できるだけ早いうちに、民間の英語の試験で高得点を挙げておこうと考えるだろう。
そうなると、小学生の頃から英語をまずは勉強して、高校1年か2年生までにできるだけ高い得点を民間の英語の試験で取得し、その後は他の科目の勉強に時間を割くのがいい、ということにもなってくる。
この変更は、日本の大学を一般入試では受験するのが難しかった高校留学生達にとっては、得意の英語の聞く話す力を発揮できるという点を考えると、すごく有利な変更だろう。高校留学中にTOEFLやIELTSで高得点をとっておけば、日本の出願大学の選択肢がかなり増えるかもしれない。
英語の4つの技能が日本の大学入試で評価対象になることは間違いない。今の小中学生はそれにどう対処するのか。早めに計画を立てる必要があるだろう。
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