ナンバーワンとオンリーワン
日本で何かの歌が流行っていたせいなのかもしれないけれど、ナンバーワンよりもオンリーワンがいい、という。
私もこのブログでも何度も書いているけれど、確かに、人はひとり一人違うので、そういう意味ではオンリーワンがいい、と思う。また、ナンバーワンを目指そうと思ったら、結構頑張らなければならないし、誰もがナンバーワンになれるわけではないので、オンリーワンを目指しましょうというのはよくわかる。
しかし、オンリーワンになりましょう、というのには少し違和感がある。オンリーワンを目指してオンリーワンになるのがいいということは、今現在はオンリーワンではないということだ。言い換えると、あなたは独自のものを持っていないし、他の誰かと同じでしかない、と言われているのと同じだ。つまり、オンリーワンになりましょう=オンリーワンを目指しましょうというのは、今あなたはみんなと同じです、という意味だ。
でも、人はひとり一人が違うという前提に立てば、みんなと同じです、という人は一人もいない。そこに違和感を感じる。
オンリーワンがいい、オンリーワンを目指しましょう、オンリーワンになるように努力しましょう、と言う以前に、みんなすでに生まれたときからオンリーワンなのだ。そんなことは一々言わなくても前提として受け入れればいいことだ。
それに、オンリーワンにしてもナンバーワンにしても、それを目指した時点で、他の人との比較を考えなければならない。
ナンバーワンになるということは、同じ物差しでナンバーツーやナンバースリーなどがいるということだから、ナンバーワンになるということは、相対的に一番になりましょうということだ。場合によってはそれを目指すのもいいけれど、何でもかんでもナンバーワンを目指して、自分と他の人を比べながら生きて行く必要はない。
オンリーワンにしても、それがもし、「他の人はみんな同じだけれど自分だけ違う」という意味なら、それは少し違うだろう。そもそもみんな違うのだから、みんな最初からオンリーワンの状態で生きている。他の人と比べて自分はオンリーワンだ、というものではないと思う。
オンリーワンは、それを努力して目指すものでもないし、他人と比較して実感するものでもない。今その状態がみんなオンリーワンなのだ。
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