楽なほうに流れる経験も

弊社の高校留学生の中には、長期のラグビー高校留学生が何名かいる。

彼らは、日本では中学生レベルで都道府県の代表程度まで選出された人も多い。でも、ニュージーランドに来て現地留学生と一緒にラグビーを始めると、そのレベルの高さ、現地学生との体の大きさの違いに頭を打つ人がほとんどだ。

そしてそこから彼らのラグビー高校留学が始まる。

自信を持ってニュージーランドにやってきて、いきなりその自信を喪失する。その経験から彼らの中には逆にやる気を出して、人よりも練習をしようとか、自分なりにできるだけ体を鍛えよう、と考えて、それを実行する留学生が毎年いる。

例えば、ロトルアボーイズハイスクールで寮生活を送る高校留学生の中には、毎朝6時前に起きて、学校のジムに行ってウエイトトレーニングをする人がいるし、学校の外周をもくもくと走る人もいる。

ただ中には、最初は毎朝早く起きてトレーニングをしていても、だんだん週に4回になり、2回になり、とうとう早朝トレーニングをやめてしまう人も出てくる。聞くと、「毎日やっていると足が痛くなってくるんです」とか「ずっと雨が降っていたので外を走ることができなかったんです」などとそれらしい理由を言う。

毎朝起きるのはつらい。こつこつとトレーニングを続けるのは大変だ。一度遅くまで寝ていたり、トレーニングをしない日があれば、余計に早起きのつらさや大変さに気付いてしまって、もうしんどいことができなくなる。

人間、かなり強い意志がないと易きに流れてしまう。

もちろん、まだ高校生なので、強い意志を持ち続けられないことも当然あるだろう。何か理由をつけて休んでしまうこともある。でも、自分で考えたできない理由にしがみついてしまえば、どんどん楽なほうに流れて行ってしまって、気がつけば決められた練習以外は全くトレーニングをしなくなってしまう。

ラグビー高校留学生に限らず、大人でもそうだけれど、どこかで踏ん張らなければどんどん楽なほうに流れてしまうのが人間だ。

今日トレーニングをしなかったのはなぜなのか。楽なほうに流れてしまう経験も含めて、今やるべきこと、自分でできること、設定した目標、将来の夢なども一緒に、じっくりと考えながら留学生活を送るのも、とてもいい経験だと思う。

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