もうすでに英語ができてあたりまえの時代

弊社では、10年以上に渡って高校留学生のサポートを行っている。

10年前と言えばまだインターネットもそれほど普及しておらず、留学生もステイ先でネットにつながることもなく、留学生が携帯電話さえ持たないこともあたりまえの時代だった。

そしてその頃は、「これからは、英語ができるのはあたりまえの時代がやってくる」と言われていた。ちょうど、英語を必須にする会社が出てきた頃だ。会社採用の条件にTOEICの最低ポイントが決められたりして、大学生が一斉に「使える英語」の必要性を感じ始めた。

それから時代も変わり、今では留学生がネットに接続するのはあたりまえとなり、LINEやフェイスブックで留学先から日本の家族や友達に簡単に連絡ができるようになった。

そして、社会に出てから求められる英語力も大きく変わってきている。

もうすでに、英語でコミュニケーションが取れるのはあたりまえの時代となった。日本にいても、周囲に英語ができる人達が一人や二人はいるだろう。「そんな人、周りには全くいない」という方は、おそらく時代の変化を感じ取れていないのかもしれない。

例えば私が暮らしているロトルアは、人口約7万人の小さな町だけれど、国際観光都市で年間を通して世界中からたくさんの観光客が訪れる。そして、ニュージーランドはオークランドを中心として移民が多く、母語も文化も違う人達が普通にたくさん暮らしている。

そんなニュージーランドでは、小学生でも英語と母語でコミュニケーションが取れるという子ども達がたくさんいる。あたりまえのように、英語と中国語、英語と韓国語、英語とスペイン語、英語とトルコ語、そして英語と日本語などを自在に使う。その上、2カ国語以上を操る子ども達の中には、学校の勉強ができたり、スポーツで優秀な成績を残したり、アートの才能があったりする子もたくさんいる。

日本で暮らしていると感覚的にわかりにくいかもしれないけれど、世界中にはそんな子ども達がたくさんいる時代になっている。

そんな環境で暮らしていると、英語と日本語ができるのは素晴らしいですね、などという時代はとっくに終わっているようにも感じる。これからの小中学生達は、母語と英語でコミュニケーションが取れることはあたりまえで、その上で、学業が優秀だったり、スポーツでインターナショナルレベルの成績を残したり、アートで世界で評価されたりすることが、求められてくると思う。

昨年のラグビーワールドカップで大活躍した日本代表の選手やコーチも、これからは、世界で活躍するラグビー選手を目指すなら、つまり、日本代表やスーパーラグビーでプレーをしたいと思うのなら、英語でコミュニケーションが取れる必要がある、と言っている。

日本語と英語ができれば、なんとか仕事が見つかった、という時代は、今の小中学生が大人になる頃には、日本でもすでに終わっているだろう。英語はあたりまえで、それにプラスして何ができるのかが問われる。そんな時代にどう生きていくのか。親御さん達が考える時がすでに来ている。

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