科学では
私たちの世代は子どもの頃から、科学の進歩によってほとんど全てのことは解明、解決される、と思っていた人が多いと思う。
子どもの頃に思い描いた未来は、科学の進歩によって変化した未来だった。科学の進歩によってこそ明るい未来がやってくると思っていた。
でも、時代も変わり自分自身も歳をとると、科学で解明できること、解決できることは限られていることがわかってくる。科学の範囲は、私たちが思っていたほど広くなく、人類、生物、自然、宇宙全体の中では、ほんのわずかな部分に過ぎない。たとえば全宇宙の9割がダークマターでできている、という話もあるようだ。そうなってくると、我々はいったいどんな空間の中の地球という場所で生きているのか、容易には理解できない。
また、1000年前の医療など、今から見れば科学的でない部分もたくさんあるだろうけれど、今から1000年後から見れば、今の医療も全く科学的ではないのかもしれないし、科学以外が大きな力を持っているのかもしれない。大昔は地球は円盤のような形だとみんな思っていたけれど、遠い未来では、「昔の人たちは、宇宙は膨張していると思っていたんだって」と笑っているのかもしれない。
今の科学では説明できないこと、理解できないことは、当たり前のようにいくらでもあるのだと思う。
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