長いものには

長いものには巻かれよ、ということわざがある。

これの面白いところは、長いものには巻かれるな、ではないところだ。

権力や勢力のある人達には逆らわないようにする、というような意味だそうだけれど、おそらく先人達の処世術として広くそして長く日本に伝わってきたのだと思う。他の国や地域に同じようなことわざがあるのかどうかはわからないけれど、おそらくこのことわざの後ろには、日本の歴史や先輩達の知恵が隠されているのだろう。

ただ、現在の日本で、長いものに巻かれてばかりではいられない。権力や勢力のある人達と行動を共にしたり、判断を同じくしたりするということは、自分の行動基準を、他の人の権力や勢力に合わせるということにもなる。そうすれば、安心で安全なのかもしれない。けれど、いろんな権力や勢力が世界から日本に押し寄せるグローバル化がどんどん進む時代に、安心や安全ばかりを選んではいられなくなる。

特に若い人達は、先人の知恵や処世術を理解しながらも、長いものにも巻かれない、と自分自身で判断する時もあってもいいだろう。

また、もし多くの人達がまだ長いものに巻かれようとしているのなら、自分自身がその長いものになろうとする、というのも一つの方法だ。競争が少ない分、うまくいく可能性もある。

長いものには巻かれよ、という言葉を聞いて、長いものに巻かれている自分を想像するのか、長いものとして人々を巻いている自分を想像するのか。そこも一つのポイントかもしれない。

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