物価

私が初めてニュージーランドに旅行で来た1995年当時は、ニュージーランドの食べものもお土産もとても安く感じて、いろんなものを買って日本に帰った。当時は日本で稼いでニュージーランドで使うのが一番いい、などと言われていたように思うが、為替レートを調べてみると、1ニュージーランドドルが60円から65円程度だった。このレートだと、2年ほど前の2011年と同じくらいのレートだ。

そして、1997年に移住してきたころは一時期円安になって、1ニュージーランドドルが80円前後だったけれど、ニュージーランドの人たちの感覚ではまだ、「ニュージーランドよりも日本のほうが物価が高くて暮らしにくいだろう」というものだった。

その後、2000年にはニュージーランドドルが日本円に対して最も安くなり、1ニュージーランドドルが40円近くまで下がった。そして現在は、1ニュージーランドドルが77円程度で推移しているようだ。

ニュージーランドでは緩やかなインフレがずっと続いており、それに対して日本では今年の初めころまでは長い間デフレで、物価はほとんど上がらなかったようなので、昨年日本に帰ったときには、日本のレストランでの食事の価格がとても安く感じた。今でも、日本で軽いランチを食べるのは一人1000円もしないのではないだろうか。でも、先日家族3人でロトルアの比較的安めのカフェで軽い食事とコーヒー2杯、ジュース1杯を頼んだら、45ドルだった。今の為替レートで計算すると、3500円くらい、一人当たり1100円を超える。日本の長いデフレの間に、日本よりもニュージーランドのほうが物価がすっかり高くなってしまった。

でも、そろそろ日本でも物価が上がり始めているようだ。来年か再来年には消費税率も上がることが予定されているらしい。

日本で暮らしている方がニュージーランドにいらして、「ニュージーランドのほうが物価が安い」と感じるときも、近い将来また来るのかもしれない。

キックオフNZのSNS