最近調子はどうですか
先日、若い長期の語学留学生に会って将来のことなどを話をしたのだが、ニュージーランドに留学して長い学生はやはり、自分の意見や考えなどを、はっきりと、よく話す。
「自分は将来こうなりたいので、今はこれをしっかりと勉強して、それをステップに次にはこれを目指すつもりなんです。」と言うことをきちんと話してくれる。そして高校をすでに卒業した年齢にもなると、自分で事前に情報を集めて、それを元に考えて決めた計画を持っている。ただ、情報の集め方が偏っていたり、少なかったりもするので、その点は「他にも違う選択肢がある」などとアドバイスをするのだが、「はい、わかりました」とこちらの提供した情報を受け入れて、計画を修正していく、という柔軟さも持ち合わせている。さすがだと思う。
弊社は、留学生達に「自分で考える態度」を身につけてほしいと強く思っている。今の小中高校生達の時代は、親御さん達の世代とは違い、成熟した社会の中で、日本以外の人たちと係わりながら生きていかなければならない時代だ。しかも、インターネットが普及して、世界中の様々な情報が大量に簡単に手に入る。そんな社会を生きていく若い人たちは、「自分で考えて、判断して、行動する」態度と力が絶対に必要だ。
だから、弊社の留学生達と話をするときにも、小さなことでもできるだけ自分で考える態度を身につけてもらえるように話をする。
例えば何か質問したときに簡単な答えしか返ってこなかったときは、「そして自分ではどう思うの?」とか「次は何をするつもり?」などと考える道筋をアドバイスする。また、はい、いいえなどで答えられるようなクローズドの質問ではなく、オープン・クエスチョンをするようにしている。だから「学校は楽しいですか?」と聞くのではなく、「学校の授業はどうですか?」などと聞く。高校留学生は、最初はオープンクエスチョンに慣れていないのか、なかなか答えが返ってこない人も多いが、留学生活が長くなると、「数学の計算は簡単ですが、文章題は英語力がないので解けないことが多いです。でもこの前の試験では半分は取れました。」などという返事が返ってくる。
だから、留学生活がある程度長くなってきた学生には、会ったとたんに「最近調子はどうですか?」などと聞く。慣れてくるといきなり「こんにちは、どう?」と聞くこともある。長期の留学生達も慣れたもので、「元気です!でも先週は風邪をひいてました。日本の薬を飲んで今は大丈夫です。」とか「暑いです。こんなに暑くなると思っていなかったので、3枚着てきたんですけど。まあ、夕方はまた寒くなりますよね。」などと楽しい返事が返ってくる。高校生の年齢で大人に対してこのくらいの会話ができればたいしたものだと思う。
実は短期留学生にも必ず一度は、「調子はどうですか?」という質問をするのだが、やはり日本から来たばかりの留学生達は、「どう、と言われましても。。。」という反応で、はっきりとした答えは返ってこない。いつも日本では、大人に対して、はい、とかいいえ、という返事でことが足りているのだろう。その場に応じて自分で考えて会話をする、ということができる短期留学生はなかなか少ない。
「どう?」と聞かれてどう答える(応える)のか、ということと、「自分で考えて、判断して、行動する」ということは、一見直接関係ないように見えるかもしれない。でも、常に自分で考える態度が身についている人とそうでない人とでは、その返答が異なる。自分で考えているからこそ、はい、やいいえ、以外の自分の言葉が次々と出てくる。
これから留学にいらっしゃる予定の皆さん。留学生活では自分で考える態度を是非身につけてください。ひょっとしたら、英語力よりもそちらのほうがこれからの人生に役に立つかもしれません。
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