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「お前ならできる」と親にいわれるのがすごく嫌なんですと、ある高校留学生が言った。

親御さんは、子どもを励まそうとして、モチベーションを上げようとして、そしてほんとうにそう信じて、その言葉を子どもに伝える。

でも、そう言われた子どもは、励みにもならないし、モチベーションも上がらないし、親がそう信じていることもわからない。

なぜだろう。

特に子どもがうまくいってないときなどは、親なら子どもにそう言うこともあるし、その言葉を励みにしてほしいと心から願う。でも、子どもには親の気持ちは伝わらない。

その留学生や親御さんといろいろと話をしてみると、どこかですれ違っているような感じがした。

なにかがうまくいってない状況では、子どもは、これからどうなるのだろうかとか、状況は好転するだろうかとか、自分にはできるだろうかとか、そんな不安の中にいる。先が見えないし、大きな困難が目の前に立ちはだかって、どうすればいいのかわからないと感じている。

どうすればいいのだろうかという大きな不安とプレッシャーに、強烈にうちのめされ困惑し、だめかもしれないという気持ちを抱いている。

一方で親御さんは、そんなこともちろんわかっていて、だからこそ、「お前ならできる」と、子どもがそのときの自分自身にフォーカスできる言葉をかける。それは、親御さんの今までの経験や、客観的で冷静な視点から来る言葉だ。

子どもが置かれている現実を客観的に見て、難しいかもしれないけれどこの子ならできるかもしれない、と思っている。

子どもが自分の「感情」の中でおぼれそうになっているのに対して、親御さんは、「事実」を見ているのだ。

そこがすれ違っているのではないか。

だから、いくら親御さんが、「(この状況であれば、そしてお前の力があれば、)きっとうまくいく」と、「事実」にフォーカスした言葉をかけても、「先が見えず、壁が大きく、どうなるかわからず、ものすごく難しい」と、ぐるぐると渦巻いている自分の「感情」の中で打ちのめされそうになっている子どもには、うまく伝わらない。

子どもからすると、「なぜ、この「気持ち」をわかってくれないのか?」と、親の言葉を拒絶してしまう。お前ならできると言われても、そうか自分ならできるんだ、と気持ちを切り替えることなどできない。

親や大人は、事実を客観的に見て、そこから先のことを考え、それにもとづいた言葉を子どもにかけようとする。もちろん、それこそ親や大人がするべきことだし、子どもの励みになることもある。

でも、子どもがとにかく感情の中でぐるぐるとおぼれそうになっているときには、客観的な事実からの言葉だけでは、伝わらないことがある。

そんなことを、現地で留学生をサポートしている人間として、そして子どもを持つ親として考えさせられた、留学生の一言だった。

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note でもブログを書いています。

[ シリーズ・留学を考える 全29回 ]
そもそも留学って何なのか?
場所を移動し、出会う人を変え、生活の時間を変える、その意味は?
日本と異なる教育を受ける意味は?
英語を使って考えると人は変わるのか?
こんな留学生がいた。

これを読めば留学に対する考えが変わります。

https://note.com/kickoffnz/m/m4f3ccf894ea3

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