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日本とニュージーランドで違うと感じる部分はたくさんあるけれど、ルールに対する態度もその一つだ。

あくまでも私が個人的に感じたことなので、すべてに当てはまるかどうかはわからない。けれど、22年以上ニュージーランドで暮してきて、日本とニュージーランドでのルールに対する態度は少し違うように思う。

ニュージーランドの人達は、ルールをできるだけ守ろうとする。もちろんそれは日本でも同じだろう。

でも、ニュージーランドでは日本より、ルールに書かれていることを一言一句きちんと読んで、細かい部分までそれに従おうとする人が多いように思う。

たとえルールに対して思うところがあっても、ルールで決まっているのなら仕方がない、とそれに従う。

それに対して日本では、もちろんルールには従うけれど、「そうは言ってもこの場合は少しくらいはいいだろう」とややあいまいに解釈をすることもあるように思う。誰かが「これはルールだから」と言うと、「まあそんな固いことは言わずに」などと言う人が出てくる。

では、ニュージーランドの人達は、そのルールが間違っているとか、自分と考えが違うときでもそれに従うのか、というと、答えはイエスだ。でも、ルールは基本的に変えることができる、と考えているので、ルールを変える機会があれば、積極的に批判や意見を言う。そして、そのルールを改善していく。

それに対して日本では、ルールが間違っているとか、自分と考え方が違うときには、それを変えようと積極的に動くよりも、部分的に従わない、という選択をする場合もあるように思う。

特に大勢の人が、「ルールとは言っても、この場合は従わなくてもいいだろう」という「空気」が醸成されたら、みんなでそうする。「赤信号みんなで渡れば怖くない」状態だ。

だからニュージーランドでは、「なぜならルールだから」という言葉は結構重い。ルールには従わなければならない、という考えが徹底されている。日本ではどちらかと言えば、「ルールとは言っても」というフレーズのほうに人々が肯定的に反応するように思う。

こうやって日本とニュージーランドのルールに対する態度の違いを言葉で表現してしまうと、どうも、日本はルールを破る悪い人達が多く、ニュージーランドはルールに従う善い人達が多い、というふうになってしまうけれど、私が言いたいことはそうではない。

表現を変えると、日本ではルールに対して柔軟に対応しているけれど、ニュージーランドは堅苦しい、と言うこともできるかもしれない。

だからその「違い」は、ルールに対する考え方の違いであり、ルールがどのように作られているのかという違いであり、誰がどのようにルールを変えることができるのかという「違い」であって、どちらが善いということではない。

ではなぜそんな違いがあるのか。もしかしたら、歴史の違いかもしれないし、学校の校則が影響しているのかもしれないし、契約の概念の違いなのかもしれない。それについては、また考えて行きたいと思う。