家事はアートだ

私に料理を教えてくれた人は、「料理は科学だ」と言っていた。

その考え方が私にはとてもしっくりきて、料理に対する考え方が変わって、料理に対する興味を深めるようになった。

そして最近は、料理はアートだとも感じる。

食材を使って、自分の手で料理という作品をクリエイトする。味や栄養はもちろんのこと、見た目も盛り付けも含めて、トータルでクリエイトされた作品だ。

一口に料理と言うけれど、人参とかじゃがいもとか玉ねぎとか、鶏肉とか牛肉とか豚肉とか魚とか、小麦粉とか塩・こしょうとか、そして水とか火とか油とか包丁とか、そんなものを使って、人が食べて美味しいと感じるものを作り出す。同じ料理でも盛り付ける食器が違えばおいしさも違うから、それも含めて料理だ。

そんな「料理」はやはり一つのアートだと思う。無から有を作り出すとてもクリエイティブな作業だ。

それをもう少し広げて考えてみると、掃除や片づけも洗濯やアイロンがけも、アートだと言えるかもしれない。

どれも、人間が手や道具を使って何かに働きかけて、もとと違う状態にする。掃除や片づけによって部屋の状態が変わるし、洗濯やアイロンがけによって衣類の状態が変わる。それらをやることで、もとの状態よりも「いい状態」「満足な状態」「快適な状態」「感動する状態」にする。

つまり、掃除や片づけや洗濯やアイロンがけをすることで、人の気持ちに変化を与える。

これは一種のアートではないだろうか。

料理や掃除、洗濯がアートであるなら、留学生達もホームステイで一度それらをやってみてもいいと思う。ホストファミリーの手伝いというだけではなく、アートとして家事をやる。

そして家事によって作り出されたものや状態に感動してみる。

長期留学生の来週から始まる冬休みや、日本から来る短期留学で、そんなことをやってみるのもいい。

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