真面目なのはとてもいいことだけれど

2023年9月12日 2024年8月5日

UenoT

真面目なのはとてもいいことだ。

日本からニュージーランドに来る留学生の多くは、とても真面目だ。真面目にもいろんな側面があるけれど、留学生たちは、人に言われたことやルールをしっかりと守り、さらに人のことを気遣う、真面目な人たちが多い。

だからニュージーランドでは、日本からの留学生を受け入れたいというホームステイも多い。言われたことは不満を言わずにすぐに取り掛かるし、ハウスルールをしっかりと守るし、周りの人たちのことをいつも気遣ってくれる、という評判だ。

とてもいいことだ。そんな評判を聞くと、留学エージェントとしても嬉しく感じる。

でも、人に言われたことに従うことや、ルールをしっかりと守ること、周りの人たちをいつも気遣うことは、常に正しいことなのか、どんな状況でも求められることなのか、というと、そうでもないように思う。

ニュージーランドの人たちは、言われたことに不満を言わずにすぐに取り掛からない人も多いし、ルールを守らない人もいる。そして、周りの人たちのことなどお構いなく自分勝手に振る舞う人もよく目にする。

だからといって、社会全体がいつもカオスなのか、というとそんなことはない。ニュージーランドなりに、バランスをとりながらある程度うまく進んでいる。

人に言われたことにいつも従うというのは、裏を返せば、無批判に自分の行動を人に委ねることだとも言える。

ルールをしっかりと守るというのは、ルール自体を疑うという視点を持たないことも意味する。

周りの人たちのことをいつも気遣うというのは、自分の考えや主張を持たないところからきているのかもしれない。

そう考えると、人に言われたことに従ったり、ルールを守ったり、周りの人たちを気遣ったりする、その真面目さにも、ある弱さが潜んでいるようにも見える。

日本でもニュージーランドでも、「真面目」という高い評価を受ける態度であっても、その中にあるネガティブな部分にもたまには目を向けてみるのも、いいのかもしれない。

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