NZは大阪だ
ニュージーランドの人達はとてもフレンドリーだといわれる。
例えば、エレベータに見知らぬ人同士が乗り合わせたら、ニュージーランド人同士なら必ずどちらからともなく会話が始まる。
私もニュージーランドで暮らして20年になるけれど、ニュージーランドの人達のフレンドリーさのエピソードには事欠かない。例えば、以前スーパーマーケットで買い物をしていると、見知らぬ女性が、「今日はこのお肉が特売で安いから、手に持っているものではなく、こちらにしなさい」などと言ってきた。その目はニコニコ笑っていた。
おそらく私以外でも、ニュージーランド滞在中に似たような経験をした方も多いと思う。
ニュージーランドの人達はとてもフレンドリーだ。
そんなことを考えていて、ふと思い出した。
日本に滞在したときに、大阪の天王寺というところにある、あべのハルカスに行った。あべのハルカスは、近鉄百貨店やオフィス、レストランなどが入る超高層ビルで、おそらく日本で一番高いビルの一つだと思う。
二階から乗るエレベーターには長い行列ができていた。数分待って上層階行きに乗ると、途中の階で二人の50代くらいの女性が乗り込んできた。エレベータの中はすでにかなりの人だ。かまわずぐいぐいと入ってきた。
開口一番一人の女性が「あっ、乗れたわ!こないだ、500グラム減量したのがよかったわ」と誰もが聞こえるボリュームで言った。もう一人の女性もすかさず「そうやなぁ。それがなかったら乗られへんかったやろなぁ」と言った。それに合わせるかのように、「500グラムの差は大きいな」という人がいた。
それは、見知らぬ人同士が乗り合わせたエレベータで始まる会話だった。まさに、ニュージーランドと同じだ。
以前に長期の高校留学をしていた学生が、11月下旬から約2ヶ月間日本に一時帰国した時、地元の大阪で平日の昼間に電車に乗っていると、隣に座っていた女性が「兄ちゃん、学校大丈夫なん?あんた、ニートか?」といきなり話しかけてきたそうだ。さすが大阪、という感じだけれど、スーパーマーケットで「こっちのお肉のほうが安いよ」と私に話しかけてきたニュージーランドの人を彷彿とさせるものがある。
ニュージーランドの人と大阪の人は、もしかして似ている?いや、きっと似ている。
ニュージーランドのエレベータやスーパーマーケットで、いきなり見知らぬ人から話かけられると、たいていの人は驚くけれど、大阪出身の人は何となくデジャブ感を感じるかもしれない。
でもこれだけで、「ニュージーランドは大阪だ!」と言い切ってしまうと、「なんでやねん、ぜんぜんちゃうわ。無理矢理やな」と突っ込まれるかもしれない。
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