留学生を信頼して任せてみる
弊社では、長期の高校留学生達には、自分で考える態度を身に付けてほしいと思っている。
自分で考える態度を身に付けるためには、周囲の大人達が留学生のあらゆる行動に対して一々これをしなさいとかこれをしてはいけません、と留学生に言うことは避けなければならないだろう。周囲の大人達から一つ一つの行動に指示を受けていると、留学生達は自分で考えて判断して行動しなくてもいいし、もしうまくいかなくても指示した大人が悪いのだ、と自分を納得させることができる。
では周囲の大人達はどんな態度で接すればいいのか。やはり安全と健康を確保した上で、基本的には留学生ひとり一人を信頼して任せる、ということが必要だろう。
ただ、留学生を「信頼する」というのは、「この子なら絶対にうまくやることができるだろう」とか「この子なら必ずいい結果を出すだろう」という信頼とは全く違うと思う。
そもそも高校留学生が留学生活で全てにおいてうまくやることなどできないし、全ていい結果が出ることも残念ながらない。
留学生を「信頼する」というのは、「この子なら、自分なりに考えて、トライするあるいはトライしようとするだろう。そしてもしうまく行かなくても、いい結果が出なくても、次はそこから学んで修正して進んでいくだろう」という信頼だ。
矛盾しているようだけれど、自分で考える態度を身に付けるためには、周囲の大人達がまずは「この子は自分なりに考えるだろう」と信頼するところから始める必要がある。もし自分なりに考える態度が全く見られないのであれば、そこから一緒に考えていく必要があるだろうし、自分で考えようとしているけれど方法がわからないのであれば、周囲の大人がその部分にアドバイスをすることが求められるだろう。
そして自分で考えて判断して行動しても、うまくいかないこともたくさん出てくる。でも「うまくいかない」は大前提だ。誤解を恐れずに言えば、うまくいかなくてもかまわない。
うまくいかなかったときには、周囲の大人達は、うまくいかなかったのはそもそもの考え方に問題があるのか、判断が間違っていたのか、行動がよくなかったのか、もっと他の原因があるのかなど、一緒に考えてできるだけのアドバイスをする。
それが周囲の大人達に求められていることだと思う。
全てがうまくいくように、周囲の大人達はついつい事前に指示をしてそれに従わせようとするけれど、それでは自分で考える態度は身につかない。やはりまずは留学生自身が自分で考えようとするところからスタートして、自分で判断し行動した結果を周囲の大人達と一緒に考えて、そこから何かを学んで行くべきだろう。
周囲の大人達もものすごく忍耐がいるし、注意深く留学生を見ていなければならない。とても大変だけれど、せっかく弊社を通してニュージーランドに高校留学に来ていただいたのであれば、自分で考える態度を身に付けて次のステップに進んでいってほしいと思っている。
キックオフNZのSNS