人生は一度きりだから
人生一度きりだから、自分のやりたいことをやりたいようにやればいい、という人がいる。
確かにその通りで、子どもの時に親や教師の言うとおりに、親や教師の価値観に沿って生活をして、高校を受験し、大学に進学し、就職して、社会に出て、30歳になり、40歳くらいになった時に、ふと自分の人生を振り返り、「これは自分がやりたかった人生ではない」などと感じる。
でも、そう感じてももう過ぎ去った自分の人生の半分は取り戻すことはできない。
だから、そんなことを感じないように、自分のやりたいことをやりたいようにやるのだ、というのも一理ある。
では、自分のやりたいことをやりたいようにやる、とは具体的にどうすればいいのか。これがなかなかわからない。特に10代や20代の時に、自分は自分のやりたいことをやりたいようにやっているんです、と自信を持って言える人はなかなかいないだろう。
結局、人生は一度きりだから、というのは、長い人生をトータルで見てそれが一度きりで後戻りできない、という長いスパンの話ではなくて、例えば自分が15歳の時の、11月17日は人生でたった一度きりで、来年の11月17日はもう16歳になっており、自分自身も周囲の人達も環境も少しずつ変わっていて、暦が同じ日であっても、人生に二度と同じ日は来ないのだという、「今日」というくらいの極短いスパンのことを言っているのだと思う。
15歳の11月17日は今日だけでもう二度と自分の人生に巡ってこないし、もっと言えば、11月17日の午前中も、放課後の時間も、夕食後の生活も、人生の中ではたった一度きりで二度とない。
その二度と来ない「瞬間」を、自分は、どこで誰と何をどうしてして過ごすのか、ということだと思う。
人生は一度きりだ。その意味は、この瞬間を自分はどうやって生きるのか、ということなのだろう。
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