英語はいつまでもブラッシュアップが必要
個人差はあるけれど、長期の留学生は、小中学生でも高校生でも、18歳を超えた大人でも、留学開始後3ヶ月ほどすれば、ホームステイファミリーや学校の先生、周囲の友達の話していることは、ある程度聞き取れるようになってくる。
そして、6ヶ月もすれば、自分の言いたいことを、文法や語彙が正しいかどうかは別にして、何とか伝えられるようになってくるし、10ヶ月も留学していれば、英語で毎日生活するのはほとんど問題がなくなってくる。
そして、例えば長期の高校留学生などが一学年を終わって日本に一時帰国すると、周囲の友達から「お前、英語ペラペラだな!」などと言われるくらいになっている。
でも実際には、10ヶ月程度の留学では、ペラペラまでにはならないし、勉強量にもよるけれど、読み書きの力はまだまだついていない人が多い。
だから、留学二年目は、聞く、話すの力をまだまだ伸ばす時期だし、場合によっては、読む、書くの力をつけ始める時期だ。そのために、一年目よりも周囲の人達ともっと英語でコミュニケーションを取り、学校の授業でわからない単語や文法を自分で勉強し、より正確な語彙や文法を使えるようになって、かつ、現地の学生と同じレベルの試験問題を読みそれに解答できるようになるために、英語に取り組む。そういう時期だ。
そんな取り組みをきちんとやっている留学生は、留学二年目の後半にはさらに英語力が伸び、周囲とのコミュニケーションには困らないようになってくるし、学校での単位取得も進む。
ところが、そのくらいまで英語力が伸びると、「私はもう、英語はペラペラだし、授業にもついていけるし、英語はもう大丈夫だ」と安心してしまって、そこからさらに英語力を伸ばそうとしない留学生も出てくる。
確かに、周りで見ていても、留学二年目の後半には生活で英語に困っているようには感じないし、成績もある程度残しているし、その時点でもし日本に戻れば英語で簡単な旅行ガイドくらいはできるようになるだろう。でも、いくら十代で英語力が伸びるのも速いといっても、二年足らずの留学生活では、まだまだ英語力がネイティブ並とは言えないし、例えば大学の講義を聴いて理解し、レポートを提出して単位を取得できるまでのレベルまでには、大きなギャップがある。
言い換えれば、「私はもう、英語はペラペラだし、授業にもついていけるし、英語はもう大丈夫だ」と留学生が感じるくらいまで英語力が伸びてからが、英語のブラッシュアップに本格的に取り組む時期がスタートするのだと思う。
まずは、語彙力を大学やポリテクで講義を受けられる程度まで増やし、レポート提出で減点されない文法力をつけ、短期間に大量の書物を読んで理解できるようになり、英語での専門的な議論に割り込んで意見を言えるようになる。そこまでブラッシュアップできると、日本に戻っても、そのままニュージーランドや海外の学校に進学しても、あるいは、英語で仕事をしても、英語では困ることはかなり少なくなるだろう。
もちろん、どれだけ英語をブラッシュアップしても、第二言語として学んでいる以上、ネイティブの人達との差は常に感じるだろう。でも、またそこで少しずつブラッシュアップして行けばいい。英語力は、ずっとさらなる向上が求められるものなのだと思う。
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