賞味期限が過ぎたものを食べますか?

ニュージーランドで暮らして18年になるけれど、日本と比較してニュージーランドでは、自分で考えて判断して行動することが、日常的に強く求められるように思う。厳しいいい方をすれば、その力がないと、安全で快適な生活をするのが難しいこともある。そのくらい、毎日毎日小さいことから大きなことまで、自分で考えて判断して行動している。

小さな例を挙げると、スーパーマーケットで売っている食料品には、日本では賞味期限や消費期限、ニュージーランドでもBest Before などという形で、食べても安全な、あるいは、おいしく食べられる期限が表示されている。でもBest Before の期限内でも、どう考えても食べられない状態のものもたまに売られていたりするし、期限を過ぎていても十分おいしく食べられるもの多い。

だから、スーパーマーケットで食料品を手にしてBest Before を確認しても、その商品を本当に買っていいのかできるだけその場で確認をする。また、家に帰って料理をする時、そしてそれを口に入れる時に、「あれっ、なんか変だな」と感じれば、例えそれがBest Before内であっても、食べないという判断をする。また、期限を過ぎていても、自分で状態を見て食べるかどうかを判断する。

日本では、賞味期限と消費期限の違いの定義がはっきりとしていることもあり、消費期限内であれば必ず安全に食べられて、賞味期限内であれば必ずおいしく食べられる、と確信している消費者も多いだろう。だから、スーパーマーケットで買ってきた期限内の食料品は、食べるときに「ちょっと変だな」と思っていても、「表示されている消費期限内だから大丈夫だ」と思って食べてしまう。また、賞味期限であっても一日でも過ぎたら、状態を見もせずに廃棄してしまう。つまり、表示されている期限を絶対的に信じて、「ちょっと変だ」と感じたり、大丈夫だと思った自分の判断より優先させる。

でも、同じ期限の同じ食料品でも、何千個何万個に一つくらいは、何かの原因で食べられないものも含まれているだろうし、期限を過ぎても食べられるものもたくさんある。だから、消費期限や賞味期限にかかわらず、最終的には自分で判断をして、買うのか、調理するのか、食べるのか、捨てるのかを判断するのがいいと思う。

スーパーマーケットの食料品は一つの例だけれど、いろんな情報を参考にしながらも、最後は自分のことは自分で考えて判断して行動する、ということが、安全で快適な生活をするために必要なことだろうと思う。

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