甘えの自覚

高校留学生達を見ていると、留学の年数が経つにつれ、また年齢が上がるにつれてどんどん成長していくのがはっきりとわかる。

留学当初はまだまだ子どもだった彼らが、日本の高校3年生にあたるYear 13 にもなると、もうすっかりと落ち着いて大人の雰囲気を出している。特に、日本の中学生の年齢から留学を始めた学生達は、やはりその成長が早いように思う。親元を離れて一人ニュージーランドに来て、寂しい思いもし、親御さんや家族のありがたみを感じて、結局自分が動かないと始まらないことを自覚し、日本の中学生達より精神的に強くなっていくのだと思う。

ただ、みんなまだまだ中学生や高校生だ。当然弱い部分も持っているし、甘えた部分も持っている。そんな弱い部分や甘えた部分も、留学の経験を通して強く、独り立ちできるようになってくるのだけれど、自分の弱さや甘えを「自覚」するかどうかが、一つの大きなポイントだと思う。

例えば、「親に話をしても、私のことを何も理解してくれないんです」という高校留学生がいる。けれど、そう言っていること自体が甘えだ、ということには気がついていない。「親は私のことを理解してくれない」と嘆くのは、「親なら私のことを理解してくれて当たり前だ」と思っているのだし、親御さんが言うことの裏にどんな意味があるのか、親御さんの気持ちになって考えようとはしていないどころか、親御さんの言うことに耳を傾けてもいない。そしてもし親御さんが理解してくれないのであれば、言葉を尽くして理解してもらうように自分が動く必要があることにも、気付いていない。

高校留学生に自分の弱さや甘えを自覚することを望むのは、少し厳しすぎるかもしれない。まだまだ親に甘えたい年齢だし、長い期間親と離れて暮らしているのだから、たまに話をしたときには甘えたいだろうと思う。

ただ、「親は私のことを理解してくれない」と言うこと自体が親に甘えているのだ、ということを自覚している高校留学生も、年齢に関わらずいる。そして、だからこそ自分は留学生活をきちんとやらなければならないんです、とはっきりと言う学生もいる。

留学生活はただでさえつらいことも多いし、寂しいこともある。その中で、自分の弱さや甘えを見つめてそれを自覚するのはとても難しい。でも、親元を離れた留学生活の中で、自分の弱さや甘えを自覚することは、とても大切だと思う。「さっき親に言ったことは私の正直な気持ちだけれど、これはきっと親に甘えてるんだろうなぁ」と自覚することで、またさらに成長して行くのだと思う。

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