言葉より音声や動画のほうが伝えたいことが正確に伝わるのか
前にも少し書いたけれど、言葉でのコミュニケーションには限界がある。
自分が伝えようと思っていることを、全て、正確に、そのまま伝えられないこともあるし、誰かが伝えようと思っていることを、全て正確に受け取れないこともある。
最近Clubhouse という音声を使ったSNSが流行っている。音声を使うことで、文字や写真では伝えられないことを伝えることができるし、音声だからこそのコミュニケーションができる。
また、以前からあるインスタなどの写真を使ったSNSや、YouTube などの動画を使ったSNSでは、写真や動画だからこそのコミュニケーションができるし、Zoom を使ったミーティングでは、動画でのインタラクティブなコミュニケーションによって、文字や音声では伝えられないことをお互いに伝えることができる。
簡単に言えば、文字よりも音声や写真、それよりも動画のほうが、情報量が多い。
でも、情報量が多いほうが、伝えたいことをより多く正確に伝えることができるのかというと、そうでもない。
確かに、ツイッターやブログなどの文字を中心としたコミュニケーションよりも、Clubhouse の音声でのコミュニケーションのほうが情報量が多いから、伝えたいことをたくさん伝えられ、より正確にコミュニケーションができるように思う。
でも、情報量が多い分、余分な情報も必ずそこに入る。
音声なら、しゃべり方とか、イントネーションとか、咳払いとか、間の取り方とか。動画なら、背景とか、ちょっとしたしぐさとか、服装とか。そんな、意図しない情報も必ずそこに乗るし、受け取る側は、意外とそういう情報をピックアップする。
たとえば、テレビでニュースを伝える人のネクタイが少し曲がっていることが気になることもあるだろう。でもそれがラジオならその情報はリスナーには伝わらない。またたとえば、Zoom でのミーティングで、しゃべっている人の後ろにかかっている絵や写真につい目がいくこともあるだろう。でも電話だとそれはない。
そして、音声でのコミュニケーションでのしゃべり方とかイントネーションとか、動画での背景とかしぐさとかが一度気になると、受け手はその情報に必ず影響を受ける。
この人はこんなしゃべり方をする人なのだ、この人はこんな部屋で仕事をしているのだ、などと考えるし、極端な場合は、その「余分な」情報で、相手を評価してしまう。そしてその評価が、コミュニケーション自体に影響を与えるし、もしかすると、その人との今後の関係にも影響を与える。
言葉だけのコミュニケーションには限界がある。写真や動画ではより多くの情報をやり取りすることができる。
でもだからこそ、余分な情報もそこに必然的に加わるし、その情報がコミュニケーション自体や、人間関係にさえも影響を与えるかもしれない。
インターネットでいろんなチャンネルを使ってコミュニケーションができるようになったからこそ、そこにどんな情報が乗っているのか、いつも考えてツールを使う必要があるだろう。
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