自分の力でどうしようもないことは考えない

現地で留学生をサポートする時、留学生と話をするのは当然だし、日本の保護者とも連絡を取り合うことも必ずやらなければならないけれど、もし必要であれば、学校の先生やラグビーのコーチ、ホームステイファミリーや寮監督などとも会って話をする。

以前に、ある留学生のことでラグビーのコーチと話をした。日本の保護者と事前に話をしたことも踏まえて、留学生の状況、彼が考えていることや悩んでいることなどをそのコーチに私から伝えた。

たまに質問を挟みながら私の話を最後まで聞いたそのコーチはこう言った。

「彼は自分の力ではどうしようもないことは、考えないことだ。そして、今は自分ができることは何なのかを考えて、それにフォーカスをするべきだ。」

なるほど、と思った。

その留学生が考えていること、悩んでいること、うまくいかないと思っていることのいくつかは、彼の力ではどうしようもないことだった。だから、自分の力で何とかなることとならないことをきちんと分けて、自分の力ではどうしようもないことは考えないようにして、自分ができることに集中する。

ものすごく的確なアドバイスだ。

「それは少し冷たい気がする。悩んでいたりうまくいっていなかったりするのであれば、もっと彼の気持ちも考えて、全てに渡ってアドバイスをするべきだ」と感じる方もいるかもしれない。

確かに、気持ちにより添うことも大切だろう。でも、自分の力では何ともならないことにいたずらに時間を費やすよりも、何とかできることに時間やエネルギーを注ぎ込むほうがいいだろうし、自分で変えられることに集中することで、気持ちも前向きになっていくだろう。

やはり、留学生を現地でサポートする時には、留学生を中心にして、日本の保護者、学校、ステイ先、我々、その他の関係者全てが情報を共有し、一緒に考えて判断して行動して行くことで、多角的な面からアドバイスができ、留学生にとってプラスになるのだと改めて思った。

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