このブログでも何度も書いているけれど、ニュージーランドで留学を始めると多くの留学生が戸惑うのが、「あなたはどうしたいのですか？」と聞かれることだ。

例えば、何か問題が起こったとき、何かを決めなければならないとき、問題を見つける必要があるときなど、いろんなシチュエーションで、当の本人がどうしたいのかをみんなで共有して、そこから問題解決、判断、問題発見などをスタートさせる。

でも日本で暮らしてきた留学生達は、この質問に戸惑う。なぜなら、日本でこんな質問はあまりされた経験がないようだし、そもそも自分がどうしたいのかを考えた経験も少ないようだ。また、自分がどうしたいのかから行動や判断や発見をスタートさせるなどということは、夢にも思ったことがない人が多い。

日本では自分が何も言わなくても、あるいは、自分の意見や考え、感じていることに関わらず、周囲の人達が問題を解決したり、判断したり、問題を発見したりしてくれていたのだろう。

でもニュージーランドでは、いろんなことが「あなたはどうしたいのか？」から始まる。留学生にとっては「自分はどうしたいのか」から始まるということだ。

この質問に慣れてきた留学生達は、何とか質問に答えようとするけれど、最初は、「他の人はどうしたいのですか？」とか「今までこんな時はみんなどうしていたのですか？」などと、結局「他人の意見や行動」を基準に「正しい答え」を回答しようとする。

「いやいやそうではなくて、率直に今、あなたはどうしたいのか、それが大切なんです」と何度も説明してやっと少しずつ、自分の意見や考え、感じていることを言葉にするようになる。

おそらく人と違う意見や考え、感情を表すことに大きな抵抗があるのだろう。抵抗という言葉が弱いのなら、恐怖心なのかもしれない。

誰かと同じ意見や考え、感情だと安心するかもしれない。でも、少なくともニュージーランドでは、他人と違う意見や考え、感じ方でもいいのだ。むしろ、問題が起こったとき、判断する時、問題を発見するときなどは、その人独自の意見や考え、感じたことがとても大切なのだ。

だからニュージーランドに留学に来て、「あなたはどうしたいのか？」と聞かれたら、素直に自分の考えていることや感じていることを表現すればいい。そこからいろんなことがスタートするのだから。

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