シンデレラが履いていたのは

先日、イントゥー・ザ・ウッズという映画を見た。

このディズニー映画は、シンデレラ、赤ずきん、ジャックと豆の木、ラプンツェルなど童話の登場人物が同時に出てきて、それぞれがそれぞれの理由で森に入っていくという、あらすじだけではなんだかよくわからない映画だ。興味のある方は一度ご覧いただければと思う。

その中でシンデレラは、皆さんご存知のストーリーと同じくお城の舞踏会に行って、12時になると走って階段を下りて家に帰ろうとするのだけれど、その時に、階段に片方だけ落としてくるのは「ガラスの靴」だ。けれどその映画の英語の台詞では「slipper(スリッパ)」と呼ばれていた。

えっ、スリッパ?と、日本語を母語とする方なら思うだろう。

日本語でスリッパと言えば、例えばお客さんが家に来たときに玄関で「どうぞ」と履いてもらう履き物だ。玄関でガラスの靴を「どうぞ」と勧めるお宅はちょっとおかしい。

でも、英語ではシンデレラが履いているガラスの靴は「Slipper(s)」と呼ばれる。

私が言いたいのは、「これから家にお客さんが来たらガラスの靴を履いてもらうのがいいですよ」というのではもちろんなくて、日本で外来語として使っている言葉の中には、その意味が本来のものと異なるものがある、ということだ。

例えば、「Happy」なども日本の「ハッピー」とは微妙に意味が異なるように思う。日本のハッピーは、どちらかと言えば満面の笑みで両手を挙げて心から楽しそうに踊っているくらい幸せな感情を表現することが多いように思う。でも英語の「Happy」は、それで満足です、くらいの意味で使われることも多い。

留学に来て最初の頃は、「周りの人が英語で言っている単語をいくつかピックアップできるようになってきました」という段階があるけれど、注意しなければならないのは、日本でカタカナで使っている英語と、ニュージーランドで使われている英語の意味が異なる場合もある、ということだ。

「あれ?単語の意味はわかっているはずなのに、言っている意味がわからない。」と感じる時には、ピックアップした単語の英語での意味をもう一度調べてみるのもいいかもしれない。

映画『イントゥ・ザ・ウッズ』予告編

キックオフNZのSNS