これを英語で言えますか?という罠
最近ネットを見ていると、「あなたはこれを英語で言えますか?」などというのをよく見かける。
たとえば、海外で買い物をするとき、仕事で交渉をするとき、旅行で道をたずねるときなど、いろんなシチュエーションをあげて、こんなとき、英語でなんと言うでしょう?などと書いてある。
確かに、英語を使わなければいけないところで、とっさに言葉が出てこないこともある。そんなとき、あらかじめ単語やフレーズを知っていれば、スムーズにいくだろう。特に仕事のシチュエーションでは、英語での会話はとても重要だ。
そして多くの場合、そこに書かれてあるシチュエーションでは、英語でうまく表現できない。「何と言うでしょう?」と聞かれても「えっ、私、何も言えない」と思ってしまう。
あたり前だ。そこに書かれてあるシチュエーションで、誰もが全て英語でスラスラと言えるのであれば、それは広告にはならないし、注目もされない。見た人が、「私はそんなこと英語では言えない」と思うからこそ、そこをクリックしたり、それを手に取るのだ。
「あなたはこれを英語で言えますか?」と書かれているそのシチュエーションでは、うまく言えないように、必ずなっている。
だから、不安になる必要はまったくない。
そもそも、海外で買い物をしたり仕事で交渉をしたり旅行で道をたずねたりするときには、実際に自分がそこにいて、目の前に誰か人がいる。言い換えれば、実際のシチュエーションでは、言葉以外のコミュニケーションができるのだ。
買い物をするときは、手に取った商品を持って指さしてみたり、仕事では、目の前の資料を使ったり、旅行で道をたずねるときには、ガイドブックやスマホの地図、ブッキングしているホテルの住所を見せたり、困った顔をしたり、ニコニコしたり、言葉以外のそんなコミュニケーションを使って、何かを伝えることができる。
そこには、言葉以外のコミュニケーションツールがあり、文脈があり、感情があり、そして人がいるのだ。その人と人との間に、コミュニケーションによって関係が作られる。
そんなことをすっ飛ばして、英語という「言葉」だけを使って「どう言いますか?」「それで実際に伝わるんですか?」などと言うのは、あまりにも実際のシチュエーションから離れすぎている。
英語は、コミュニケーションの一つのツールに過ぎない。実際のコミュニケーションでは、英語という言葉以外も総動員して、何かを伝え、人との関係を作る。
だからこそ、英語が全くできない中学高校留学生が、ホームステイや寮に滞在し、学校で授業を受け、課外活動をして、友達もでき、ゲラゲラ笑い、みんなと泥まみれになって、楽しい時間を過ごすことができる。
「あなたはこれを英語で言えますか?」と聞かれたときには、「もしかしたら英語という言葉では多くのことは言えないかもしれないけれど、実際のシチュエーションでは、何とかして他のコミュニケーションツールを使って、何かを相手に伝えることができるだろう」と答えればいいのだ。
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