2030年の日本で生きて行くためには
世界が急速に変化していると同時に、日本もこれから大きく変わっていく。
例えば14年後の2030年。今の小中高校生の親御さんはすでに40代半ばから60代の年齢で、すでに引退している人もいらっしゃるだろうけれど、子ども達は20代から30代前半の年齢で、人生これから、という時だ。その2030年には、今の日本とは大きく異なる日本になっている。
ある調査によると、日本の人口は今よりも1000万人以上減少するけれど、逆に65歳以上の高齢者数はどんどん増え続けていく。減るのは、15歳から64歳の生産年齢人口だ。そして、2030年には、老年人口(65歳以上)が生産年齢人口(15歳から64歳)に占める割合(老年人口指数)が54.4になる。つまり、働く人約1.8人で高齢者1人を扶養することになる。生産年齢人口よりも、働く意思を持つ労働力人口は少ないので、実際にはもっと大きな負担を実感するだろう。
14年後、今の中学生、高校生は、2人以下で一人の高齢者を養うことになる。2010年が約2.8人で一人を扶養する割合だったのに比べると、急激な負担増だ。若い人達にとってみれば、もうほとんど無理、と言ってもいい状況だろう。
「いやいや何を言ってるんだ。生産年齢人口が減るということは、就職の競争がなくなり、いくらでも仕事を選べる時代になるんだ」とおっしゃる方もいるだろう。私は経済には明るくないので、いろんな条件を合わせてみるとひょっとしたらそんな明るい未来が来るのかもしれない。
でも、生産年齢人口が減るということは、働いて収入を得る人口が減るということだろう。言い換えると、日本国内では、ものやサービスが売れなくなるということだ。単純に考えると国全体のGDPも減少する。
そんな国では企業も今までのような収益が確保できないので、海外で売り上げを確保しようとするだろうし、国内生産を海外に移転する企業も出てくるだろう。つまりグローバル化が進む。そうなると、国内での雇用は確実に減るし、当然リストラも行われるだろう。
総人口が減り、それ以上の速度で生産年齢人口が減り、でも老年人口は増え続け、若い人の負担が急激に増え、日本の企業は海外に出て雇用が減り、GDPも低下していく。2030年、今の小学生が20代、高校生が30代になった時、こと経済に関して言えば、そんな日本を彼らは見ることになる。
今の小中高校生の親御さんの世代が生きてきた20代、30代とは全く違う日本がそこにある。
そんな時代を生きていく今の小中学生は、今この瞬間にどんな力をつけておくべきだろうか。親御さん達と同じことを同じように日本の学校で勉強し、クラブ活動を行い、塾に通い、という生活を続けていても、もうどうにもならない、ということは容易に考えられるだろう。ひょっとすると、今の小中高校生の中には、そんな危機感を肌で感じ取っている人もいるかもしれない。そんな人達は、親御さん達とは全く違う価値観、危機感、感覚を持っているだろう。
さて、ではどうするのか。小中高校生自身もそうだけれど、親御さん達も真剣に考える必要があるのではないだろうか。
国内人口推移が、2030年の「働く」にどのような影響を及ぼすか
「2030年の「働く」を考える」より
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