昔の価値観はもう通用しない

留学のお問い合わせを頂く方や、実際に留学にいらっしゃる方、そしてその親御さんとお話をさせていただくと、今、世界は急速に変化をしていて、その変化の流れに日本も確実に巻き込まれている、と実感している、あるいはそう考えている方もたくさんいらっしゃる。だからこそ、日本ではなく一度海外に出ようと考えるのだと思う。

でも、日本でずっと暮らしていらっしゃる方の中には、そんな世界の変化には全く無関心の方もいるし、気付いていても日本で暮らし続けることを選ぶ方もいる。

もちろん日本で暮らすという選択肢もあって良いだろう。みんながみんな海外に出る必要は全くない。

でも、今の小中高校生がこれからずっと日本で暮らし続けるというのは、選択肢の一つであって、そうではない選択もある、ということは、頭の片隅に置いておくのもいいと私は思う。

例えば、いまだに、いわゆる偏差値の高いと言われる「一流大学」を出て、いわゆる大企業である「一流企業」に大卒で就職すれば、定年まで高い給料が保証され、定年後も年金で余裕のある生活ができる、と信じている方もいるようだし、なんとなくそうなんだろう、と考えている方もいる。

でも、いわゆる一流大学を出ていわゆる一流企業に勤めても、そこがブラック企業に近い過酷な労働条件の会社もあるようだ。また、たまたま大学を卒業する年が就職氷河期と呼ばれる年にあたってしまうと、新卒一括採用の制度で、一流企業どころか就職すらできないこともある。そして新卒一括採用で採用されなかったら、もう元のレールに戻ることはかなり難しいという現実もある。

「そんな不運なことは、なかなかないよ」とおっしゃる40代、50代の方もいるかもしれない。でも、今の若い人達、就職氷河期を経験した20代、30代の人達と一度話をしてみれば、そんな考えも変わるだろう。また、リーマンショックなど企業の採用に大きな影響を与える出来事は、個人の力ではどうしようもない。

だから、いわゆる一流大学を出て、いわゆる一流企業に勤めれば、それで一生安心、などという価値観は、もう日本でも通用しなくなっていることに、気がつくべきだと思う。今の小中高校生の親御さんの世代はそんな時代もあったのかもしれないけれど、時代は大きく変わってきているし、これからも大きく変わる。

なんとなく周りの人達もそんな価値観だし、やっぱりなんと言っても一流企業と呼ばれる会社に大卒で入れれば、安心でしょう、という価値観は、おそらくこれからの時代、どんどん通用しなくなる。

じゃあ、今の小中高校生は、どんな価値観で生きて行けばいいのか、どんな価値観で学校を選び、また仕事を選べばいいのか。

それを今の小中高校生とその親御さんが、個人個人でそれぞれどう考えるのか。そこが問われている時代だと思う。

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