何となく始まって何となく終わる

ニュージーランドで、何かの催し物やパーティなどに参加したことがある方なら経験があると思う。

イベントは、「何となく」始まって「何となく」終わる。

日本のように、時間前に全ての参加者が集まって、開始時刻ちょうどに司会者が開会を宣言して、来賓の挨拶があり、イベントが始まって、最後にまた、閉めのセレモニーが行われる、などということはあまりない。

例えば、年に一度の小中学生のスポーツの大会でも、参加チームは自分の好きな場所にガゼボを立てて、第一試合のグラウンドに直接行って、アップをしたら、いきなり試合が始まる。次の試合がどこなのかは、事前にウエブサイトに掲載されている情報や、メールで届いた資料を印刷して持って来ていないと、現場ではわからない。保護者達も、「集合場所はどこ?」などと偶然会った人達で話をしながら、うろうろしてチームメイトを見つけたりしている。

また、学校で行われる保護者対象のパーティでも、開始時刻になっても半分くらいしか人が集まっていなくて、少し遅れて始まって、いろんなことが遅れたり早まったりしながら進んでいく。

それでも、ほとんどのイベントはうまくいく。式次第などなくても、進行表を持っていなくても、ほとんどの場合は滞りなくイベントは終了する。

日本の感覚だと、イベントの進行が頭に入っていないと不安になるし、時間も場所も曖昧だと、「どうなっているんだ」と言いたくなる。でも、ニュージーランドでは、いろんなイベントがそんな状態だ。

言い換えれば、日本では、イベントの時間や内容、場所がきちんとオーガナイズされていないと人々は動けない。どうすればいいのかわからない。でも、ニュージーランドでは、詳しいことがわからなくても、それぞれの人が自分なりに考えて動く。みんな考えて動くので、全体として何とかなる。

これも文化の違いかもしれない。けれど、「きちんとオーガナイズされている中を共通の情報を確認しながら動く」日本と、「準備や情報がない中でも、個人個人が考えながら動く」ニュージーランドの違い、とも言えるかもしれない。

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