NZ首相が産休
今年の1月中旬にニュージーランドの首相のJacinda Ardern 氏が妊娠を発表、6月に出産予定で、6週間の産休を取得することがニュースになっていた。6週間の産休期間中は、副首相のWinston Peters 氏が代行を務める。
日本でも報道されたようなので、ご存知の方も多いだろう。
Ardern 首相は、昨年9月に行われた総選挙の直前に労働党の党首となり、10月に正式に首相に就任したばかりだ。
いろんな視点から見ることができるけれど、一つは、一国の首相が在任中に6週間公務から離れることの是非についてだろう。
また一つは、党首になり首相になってすぐに妊娠を発表し産休を取ることを決めたそのタイミングについてだろう。
どちらの視点から見たときにも、ニュージーランドでは「問題ない」という意見が多い。
首相が公務から離れるということは、国の緊急事態、例えば2011年のクライストチャーチの地震や、その他の自然災害、戦争やテロなどが万一起こったときに、指揮を執れないかもしれないという問題がある。でも、「代行のWinston Peters氏が指揮を執ればいい」あるいは、「産休中でもある程度の指揮は執れる」という判断がニュージーランドでは受け入れられるのだと思う。言い換えれば、「それで大きな不都合はない。論理的に考えて適切だ。」ということだ。
また、妊娠のタイミングについては、「仕事に妊娠のタイミングは合わせられない、あるいは合わせる必要はない」というのがニュージーランドの多数の意見なのだろう。これは、首相というポジションとか、Jacinda Ardern 氏個人の判断や行動としてではなく、一般的に女性やそのパートナー、家族の問題としてとらえたときに、そういう考えに同意する人がニュージーランドでは多いのだろう。
二つの視点をまとめて言えば、「仕事よりも、妊娠や出産というプライベートな出来事を優先することに同意する人が、ニュージーランドでは多数を占めてい」るということになるだろう。国のトップの仕事に就く人だからと言って例外ではない。
だからこのニュースは、首相であるJacinda Ardern 氏個人のニュースではなく、ニュージーランドの人達全体に関するニュースなのだ。
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