お金の価値
ニュージーランドは日本と比べるとキャッシュレス社会だ。
銀行のキャッシュカードを使ったEFTPOSというシステムで、ほとんどの店で買い物ができる。留学生でも現地口座を持っていれば、2ドル程度の小額の買い物でも現金を使わずにできる。またクレジットカードでの買い物も一般的で、10ドル程度でもみんなどんどんクレジットカードで買い物をする。
だから、財布の中に100ドル札を何枚も持っているような人はほとんどいない。極端な場合財布も持ってなくて、車の中にEFTPOSカードとコインだけ入れいてるという人もいるし、お札は5ドルをポケットにくしゃくしゃに入れているだけ、という光景もよく目にする。
そんなキャッシュレス社会で生きていると、お金の価値について時々わからなくなる。1000ドル程度の買い物をしてクレジットカードで払ったら、単に銀行口座の数字が少なくなるだけで、目の前の商品と交換に何かを差し出した、という実感がない。クレジットカードを店の小さな機械に差し込んで、ピンナンバーを入れて、レシートをもらったら、高額な商品でもその場で手渡してくれる。一連の操作で何が変わったかと言えば、銀行口座の数字だけだ。
だから逆に、一所懸命働いた結果収入を得るということは、具体的には銀行口座の数字が増えるということで、何か目に見えるものやサービスを得ているわけではない。そう考えると、銀行口座の数字が多いというだけでは全く価値がなくて、その数字を使って、言い換えれば、数字を減らして、何かを購入する、つまり、口座の数字と交換にものやサービスを得ることで初めてその価値を発揮する。それがお金の価値だということになる。
もっと考えると、いくら銀行の口座の数字が多くても、それをものやサービスと交換しなければ、それは単なる数字に過ぎない。つまり、お金は使ってこそ価値があると言える。
将来のためにお金を蓄えるのも必要だけれど、蓄えたお金を使わないとその価値は発揮されない。そして、銀行口座の数字を、いつ何と交換するのかが、その人のお金の価値観そのものであり、もっと言えば生き方の反映でもある。
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