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昨日のこのブログ「単語を覚える方法」で、「これからの世界で求められる英語力は決して「英語を日本語に訳す力」でも「英語を日本語として理解する力」でもなく、英語を英語として理解し、状況に応じた英語で表現し、英語でスムーズにコミュニケーションが取れる力が必要なのだ」と書いた。また、以前「TOEIC?」の中で、「即戦力を求める日本の企業も、いつまでもTOEICを英語力を測る基準にし続けるかどうかは、わからない。いつか急に、TOEFLやIELTSの試験が使われるようになるかもしれない。だから、英語力をつけるためにTOEIC試験対策をして高得点を取っても、世界はもちろん、日本でもこれからもずっと評価されるとは限らないだろう。」とも書いた。

そして今日の新聞で、「自民党の教育再生実行本部(遠藤利明本部長)が国内全ての大学の入学試験を受ける基準として、英語運用能力テスト「TOEFL(トーフル)」を活用する方針を固めたことが20日、分かった。」という報道があった。「対象は、全ての国公立大学と私立大学で、大学の学部ごとに点数基準を定め、クリアした者に受験を認める。」とのことだ。つまり、もしこの方針が実施されれば、大学受験を目指す高校生はTOEFLをあらかじめ受験して、志望大学学部が定める基準以上のポイントを取得しておく必要がある、ということになる。

高校卒業時点で、今までとは違う英語力、すなわち昨日私が書いたような、英語を英語として理解し、状況に応じた英語で表現し、英語でスムーズにコミュニケーションが取れる英語力を身につけることを考えると、この方針には大筋で私は賛成だ。

ただこの方針通りに実施されたとしても、全ての高校生が英語を英語として理解し、状況に応じた英語で表現し、英語でスムーズにコミュニケーションが取れる英語力を身につけることができるようになるとは、残念ながら思わない。

まず、TOEFL必須となっても、センター試験や国公立の二次試験、私立の試験などが、今まで通りの英語を日本語に訳す試験であるならば、高校生は単にTOEFL受験がプラスで負担になるだけだ。例えば、進学校と呼ばれる高校では、今までの受験対策に加えてTOEFL対策の授業が実施されるだろうし、予備校などでもTOEFL対策講座やTOEFL模擬試験を実施するだろう。つまり、高校生の時間的、経済的な負担が増える。そして、TOEFL対策への時間的経済的な負担を負えない高校生はTOEFLで高得点ができず、結果的に、TOEFL対策ができる高校生とそうでない高校生の間に格差が生まれることも考えられる。

また、TOEFLの得点が単に大学の受験資格を得るためのものであれば、その得点基準はそれほど高くは設定できないだろうから、TOEFLの基準得点と他の入試の英語の得点の比率によっては、高校生の英語力が「英語を英語として理解し、状況に応じた英語で表現し、英語でスムーズにコミュニケーションが取れる」方向に大きくシフトするまでには行かないだろう。

さらに、「全ての国公立大学と私立大学」で受験資格としてTOEFL得点が必要となるのであれば、当然文系も理系も、そして、体育学部や看護学部、芸術学部などにも適用されるのだろう。そうなれば、大学の授業では特に高い英語力を必要としないと考える大学や学部、さらに言えば、受験者数減少に悩む大学や学部などは、TOEFLの基準得点を大幅に下げるだろう。そうなると、TOEFLの基準得点が受験者数増減の一つの要因となるだろうし、今までの偏差値に替わってTOEFL基準得点が大学のランク付けに使われ、大学、学部の序列をさらに明確にする結果となるかもしれない。

このニュースは、大学進学を目指す小学生や中学生や高校生にとっては、非常に大きなニュースだろう。18歳になるまでに、志望大学、学部が示すTOEFLの基準得点を上回る点数を取っておく必要があるからだ。大きな大きなプレッシャーだし、どうすればいいのか、何から手をつければいいのかもわからないだろう。

ただ、弊社の長期高校留学生達にとっては全く問題ないし、逆に「ラッキーだ」と思う高校留学生も多いだろう。大学や学部が示すTOEFLの受験資格基準得点くらいは、長期高校留学をしていれば容易に取得できるからだ。

私はできれば、TOEFLにIELTSも加えてほしいくらいだ。全ての大学の受験資格がたった一つの英語の試験というのも問題があるだろうし、IELTSは、ニュージーランドやオーストラリア、英国の、大学や専門学校の入学基準英語力として幅広く採用されているからだ。

このニュースは、今後発表されるであろう具体的な実施時期や内容にも注目していきたいと思う。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130321/edc13032101310000-n1.htm