留学の年齢

週末、高校留学生の親御さんが日本からロトルアにいらっしゃったので、うちで夕食をご一緒した。いろいろとお話をさせていただいて、とても楽しい時間だった。

その高校留学生は、一度日本の高校に進学したのだが、短期のニュージーランド滞在がきっかけでロトルアに卒業留学に来た。日本でもかなり勉強をする学生だったようだが、留学に来てからも、英語力を伸ばしながら、現地の高校生に負けないくらい毎日勉強に取り組んでいる。また、ニュージーランドならではのアクティビティを趣味として熱中し、学業とアウトドアを見事にうまく両立させる留学生活を送っている。

その留学生が「もう少し早く留学に来てもよかったと思っています。」と言うと親御さんも、「高校での留学は最初は早すぎると思っていた。大学に進学してからでも十分だと考えていた。でも、今は高校生で長期で留学に来させてよかったと思っている。」とおっしゃっていた。

15歳で長期留学に出すのは、親御さんもとてもご心配だろう。まだまだ未熟な若者が、一人で留学して本当に実りあるものになるのだろうか、もっと大人になって自分で考えて判断できる歳になってから留学したほうがいいのではないだろうか、とお考えになるかもしれない。でも、高校留学を終えて日本に帰国した留学生達やその親御さん、そして高校留学2年目3年目の留学生達やその親御さんも、「高校で留学に来てよかった」とおっしゃる。

また、長期の語学留学生と話をしていても、「高校留学生達を見ていると、自分も高校の時に留学に来ていたらまた違っていただろうと思う。」と言っていた。「高校留学生達がうらやましい」と。

私は個人的には、高校生でも、20代でも、また60代、70代でも、留学にいらっしゃったら、それぞれの年齢でそれぞれ違った経験ができるし、年齢に関係なく学ぶこともたくさんあると思う。でも、10代の時の留学でしか得られない、経験できないことも多いとも思う。だから、高校をすでに卒業してから留学にいらっしゃる方は、もう二度と高校留学を経験できないと思うから、目の前で高校生が留学しているのを見ると、「もう少し早く来てもよかった」と感じるだろう。

実際、15歳から18歳の高校留学生達は、留学に来たときと卒業するときで別人のように変る人も多い。留学生自身も、「留学2年目の初めくらいから私は変ったと思う」という人もいる。それは、10代で家族の元を離れて、同級生とは全く異なる道を歩むという経験でしか得られないものなのかもしれない。

ニュージーランドの高校は5年制と7年制の学校があるが、5年制なら13歳から、7年制なら11歳から留学可能だ。だから13歳から留学している学生や11歳から一人でホームステイをしている学生もいる。どの年齢から留学するかは、留学生の性格やご家族の考え方、環境やタイミングにもよるので、何歳が一番いいとは一概には申し上げることはできない。でも、13歳や15歳で単に若いから留学はまだ早い、と言って留学を先延ばしにすることは、人生のそのときにしかできない貴重な経験のチャンスを逃してしまうことになるかもしれない。

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