親の心子知らず

先日、10歳と15歳の二人の娘さんを持つニュージーランド人のお母さんと話をしていたら、「上の娘は最近扱いにくくて困る。自分のことは自分が一番よく知っていると思っているし、自分のことを最もわかっていないのは母親だと思っている。まあ後2~3年もすればまた変ってくるだろうけれど、今はとても大変だ。」とおっしゃっていた。

ティーンエイジャーを持つ親御さんなら少なからず同感されると思うが、今まで親に甘えていたのに急に反抗的になったり、親は自分のことをまったく理解してくれないという態度をとったりする。

親にしてみれば、生まれたその日からミルクをあげたり、オムツを替えたり、24時間365日ずっと面倒を見てきて、自分の子どものことは親が一番よくわかっている、と思っているだろうし、ひょっとしたら子ども自身よりも親のほうが子どものことをわかっている、と思うこともあるだろう。特に子どもが小さいときは、社会のことや一般常識など全くわかっていないし、知識も経験もないし、だから自分が守って導いてやらないといけない、と親は思っている。当然だ。親の力がないと子どもは生きていけないし、親の教育によって子どもは成長する。

でもそんな子どもが13歳くらいになると急に、自分の主張をし始めて、親は何もわかってくれないと言う。そんな話を聞くと、今6歳のうちの娘も、後数年でそんなことを言い出すのか、と少し憂鬱になる。

でも、ニュージーランドに留学に来ている13歳から18歳くらいの中学高校留学生達を見ていると、また少し違うように思う。親御さんとの距離を少しずつ広げていこうとしている学生もいるが、多くの中学高校留学生達は、日本にいる親御さんと仲がいい。たまには電話やスカイプで話をして、今日学校であったことや友達のこと、将来の進路についてなど、いろんな話をしている。100%全てあったことや思っていることを親御さんに話しているか、と言えばそんなことはないだろうけれど、少なくとも、自分のことは自分が一番よく知っているし、親は自分のことをまったく理解してくれない、などという態度はとっていないように思う。

それはおそらく、留学生達が13歳や15歳から親元を離れて、言葉も常識も通じない海外で暮らす、という経験をしているのも大きいだろうし、留学に来る前に、ある意味一人立ちする決心を、それぞれの留学生達がしてきているからだろうと思う。

今、高校留学生達は、11月末から12月初め頃に日本に一時帰国することをとても楽しみにしている。日本の友達に会うとか、おいしいものを食べるとかいう楽しみもあるだろうが、10ヶ月以上離れて暮らしている親御さんや家族に会う、ということも、心から楽しみにしている。

そして、日本で留学生達の一時帰国を心待ちにしている親御さん達も、今は「後、○○日」とカレンダーを毎日眺めて楽しみに待っていらっしゃるのだと思う。

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