正しいと思っていることは実は正しくないかもしれない

長い間生きていると、「今まで自分が正しいと思って疑わなかったことが、実は正しいとは限らなかった」という経験をする。

そんな時、歳をとればとるほど、自分の正しさを否定するような出来事を素直に受け入れるのに抵抗がある。「えっ!そうだったのか。」と頭では思っていても、「いやいやでも、やっぱり私が正しいのでは?」などと考えてしまう。

でも、場所が変われば正しさも変わる。所属する集団が変わっても正しさも変わるし、時代によっても、年代によっても、文化によっても、何が正しいのかはそれぞれ異なる。

ずっと同じ場所にいて、同じ集団に所属し、同じ年代の人達と一緒にいて、同じ文化を共有していると、どうしても、自分が経験して正しいと思っていることが、世界中どこでも正しいこととして通用する、と思ってしまう。

でもその思い込み自体が正しくないのだ。

だから、できれば若いうちに、全く違う場所で生活をして、それまでと違う集団に所属し、いろんな年代の人達と過ごし、違う文化に触れてみることで、今まで自分が正しいと思っていたことが、そうではないことに気づく経験をするのが、それからの長い人生にとってとてもいいことだと思う。

その経験を通して、場所や集団や人や文化が変わると、自分の価値観では理解できないことがあることを実感する。そして、それ以降の人生でいろんな人と出会ったときに、自分の「正しさ」と相手の「正しさ」が違うことを前提に関係を築くことができる。

十代の時の海外での留学経験は、自分のそれまでの「正しさ」を疑い、世界には様々な「正しさ」があることを理解する経験でもあるのだ。

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