Chiefs U18キャンプ事前ミーティングで感じたこと
昨日のこのブログ「弊社ラグビー高校留学生2人がChiefs U18に選出!」で、弊社のラグビー高校留学生2人が、チーフスU18に日本人で初めて選出されたことを書いた。
チーフスU18に選出されると、7月のスクールホリデーに1週間、チーフスの本拠地であるハミルトンでキャンプが実施される。今年も、約50人がチーフスエリアの強豪高校から選出され、セントポールズコリジエイトスクールでキャンプが行われた。
ニュージーランド屈指のラグビー強豪高校の一つであるロトルアボーイズハイスクールからは、日本人留学生2名を含む10名ほどが選出された。それに伴い、ベイオブプレンティラグビーユニオンから講師を招き、ロトルアボーイズハイスクールで1時間ほどのチーフスU18キャンプ事前ミーティングが行われた。日本人留学生2名を含むチーフスU18に選ばれた選手、ベイオブプレンティU16代表に選出された日本人留学生、そして、ラグビーアカデミー受講生が受講した。
チーフスU18のキャンプはかなりハードな内容だ。
月曜日の昼に各高校からキャンプ地に集合し、ミーティングの後すぐにフィットネステストが1時間半、15分の休憩後、基本スキルのテストが1時間。ディナーの前にプールとシャワーに30分とった後、45分間の食事時間だ。夕食後もハカの練習、メンタルスキル、アクションプランなど室内での座学が9時前までだ。
二日目火曜日も、7時からの朝食後、8時過ぎから午前中はグラウンドでポジション別のトレーニング。昼からはチームトレーニングとゲームプランが夕食まで続く。夕食後も、個人別の座学とビデオでの個人アセスメントだ。
同様に水曜日もキャンプは続き、木曜日と金曜日の午後はチームに分かれてゲーム形式のトレーニングと座学だ。夕食後も毎日夜9時前までぎっしりと予定がつまっている。
そして土曜日は、2チームに分かれて、1チームはブレナムまで行ってクルセーダーズU18と、もう一チームはハミルトンでブルースU18と試合が行われた。
そんなハードなチーフスU18キャンプ。キャンプ前のミーティングも内容の濃いものだった。
まずは、チーフスU18キャンプの目的とニュージーランドラグビーとしての位置づけについて説明があった。
ニュージーランド全国で370校程度のラグビー部のある高校があり、通常トップ高校と言われる学校が10~15校程度ある。ロトルアボーイズハイスクールもその一校だ。
そして毎年7月上旬頃に、スーパーラグビーのそれぞれの地域で各50名、5つの地域で合計約250名のU18代表が選ばれる。
その後9月頃には、その中の約50名から100名程度が、NZMaori U18やNZSecondary School 代表(NZ高校代表)チームに選出される。
だから、チーフスU18キャンプに選ばれることは、NZの高校代表への第一歩という位置づけだ。現在オールブラックスの選手の中にも、チーフスU18に選ばれた選手も当然いる。
次は、高校卒業後、スーパーラグビーに入るまでの道筋についての説明があった。
そして、ラグビー選手はどんな印象を与えるべきか。つまりプレーだけではなく見た目や態度、行動についてどうすべきかという話が続いた。高校生とはいえ、将来的にニュージーランドの国の代表になる第一歩を踏み出した選手達だから、いいプレーをすることだけが求められるのではなく、人間としても代表にふさわしいものになることが求められるという話だった。
その後は、学ぼうとする姿勢や将来の自分にプライドを持つこと。キャンプに必要なもの。ラグビーに必要な6つの要素。自分の身体を知ること。準備物。そして基本理念、などについて話があった。
その基本理念は、
「あなたが自ら参加する。我々があなたを参加させる(招き入れる)のではない」
というものだった。決して誰かにやらされているのではなく、自主的に、自分で考えて、積極的にキャンプに参加することが求められる。
そのミーティングを見て感じたことは、ニュージーランドラグビーでは、高校生の年代から、優秀な選手を見つけ出して育成するシステムがきちっと整っていることだ。
そして、チーフスU18などスーパーラグビーレベルの代表に選ばれることは、ニュージーランドラグビーの育成システムの中では、確実に一つ上のレールに乗るということだ。
言い換えると、チーフスU18代表に選ばれることは、ニュージーランド代表になる新たなスタート地点なのだ。
だから、チーフスU18に選ばれた選手は、スキルだけではなく、考え方、態度、服装などの見た目、他の人に対する接し方、リーダーシップ、リスペクト、なども高いレベルで要求される。
そこに、今年ロトルアボーイズハイスクールで留学する弊社の日本人ラグビー高校留学生が2名選出された。これは、何度も言うようだけれど、歴史に残る快挙だ。
もちろん、日本の高校生の中にも、このレベルのスキルを持つ優秀な選手達も数多くいるだろう。
でも、忘れてはいけないのは、今年チーフスU18に選ばれた日本人留学生達は、英語力もかなり高いことだ。日常会話は全く困らないし、コーチや選手とのコミュニケーションも完璧にできる。
そしてその英語力は、簡単に身に付けたものではなく、一人で中学生の年齢から留学して、困ったり、落ち込んだり、嫌になったり、孤独にさいなまれたり、いろんな経験をしながら習得したものなのだ。
その上彼らは、こどもの頃には日本のラグビーも経験し、その上でニュージーランドのやり方も理解して、実践もでき、そこで自分の力を高いレベルで発揮することができる。
そういう意味でも彼らはすごいのだ。
そんな日本人高校ラガーマンは、そう多くないだろう。
先日このブログで紹介した、ベイオブプレンティU16代表に選ばれた選手もそうだけれど、2人の日本人ラグビー高校留学生がチーフスU18に選ばれたことは、ロトルアボーイズハイスクールでのラグビー高校留学では、ベイオブプレンティ代表、そしてチーフス代表への道が、日本人留学生にも開かれていることを意味する。
自分も彼らに続きたい、という強い意志のある小学生中学生は、ロトルアボーイズハイスクールでの3年間から5年間のラグビー高校留学で、自分の実力を試してみるといいだろう。
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