誰にも言われなくても自分に必要なことを自分でやる
弊社では長期の高校留学生達の中に、ラグビー高校留学生も何人かいる。
私がクライストチャーチに行ったときにはラグビー高校留学生の練習や試合を見に行くし、ロトルアではラグビーアカデミーの授業を見に行く。
先日、ロトルアボーイズハイスクールのラグビーアカデミーのウエイトトレーニングの様子を見に行ってきた。
ロトルアボーイズハイスクールのラグビーアカデミーは、選択授業の一つとして一日1時間、週に5時間のラグビーの授業をコーチから受けることができる。今年の授業は、毎週月曜日と火曜日が主にウエイトとフィットネストレーニング、水曜日から金曜日がスキルトレーニングとなっていた。
ウエイトトレーニングは学校のジムでコーチの指導の下行われるけれど、第一学期の最初の期間は、留学を始めたばかりの日本からの留学生達は、器具の使い方から教わる。日本では中学生の年齢ではなかなかウエイトトレーニングはやらないようだけれど、ニュージーランドのコーチは「選手の年齢や身体に合わせたトレーニングをすべきだ」と言う。ニュージーランドの他の選手達は14歳15歳でも身体の大きい人が多く、きちんと身体を鍛えていないとコンタクトで負けてしまうし、試合で怪我をすることもある。
慣れないウエイトトレーニングは、日本から来たばかりの留学生達にはきつい。だから、与えられたメニューについていけないこともあるし、時には手を抜いてしまうこともある。私がウエイトトレーニングを見にいっても、留学1年目でしかも留学が始まってすぐの人達は、途中自分で休憩したり、座ったらなかなか立ち上がれなかったりしている。
でも、7月に始まる3学期、10月からの4学期にもなってくると、どの留学生も、誰も注意して見ていなくても、黙々と自分のメニューを汗をかきながら一所懸命こなすようになる。身体が慣れてくることもあるし、器具の使い方もわかっているのでスムーズにメニューをこなせることもある。けれどやはり留学を始めた頃と一番違うのは、精神的に強くなることだと思う。
最初は、コーチが見ていない隙をうかがって座ったり休んだりしていた留学生も、そんなことをしていたら、結局自分にとってマイナスであることに気付き、他の先輩達がきちんとウエイトトレーニングをして大きく強くなっている身体と、自分の身体を比較して、その違いが、スキルトレーニングや試合に影響していることを実感し、ウエイトトレーニングの必要性を痛感して、自分でやらないと結局その結果は自分に跳ね返ってくることがわかり、そして誰にも何も言われなくても、自分で自分を追い込むトレーニングをするようになる。
この、「誰にも言われなくても、自分で自分を追い込める」というのがとても大切で、コーチや先生に監視されて、注意されて、やれと言われて、だからやる、というのとは、根本的に違う。
先日ロトルアボーイズハイスクールのラグビーアカデミーを見に行った時も、日本では中学生の年齢の留学生も、誰にも何も言われなくても、必死になってトレーニングをしていた。
そういうことができるようになった人はきっと、ラグビーのトレーニング以外に、勉強でも普段の生活でも、自分で考えて、やるべきことは誰かに言われなくてもきちんとやるようになるだろう。
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