留学生が感じたラグビー王国のすごさ
先日、クライストチャーチの高校でラグビー留学をしている留学生達と話をしたら、面白いことを言っていた。彼らが1月末からラグビー高校留学をスタートさせて約2週間。日々経験するニュージーランドでの出来事に、大きな刺激を受けているようだ。
彼らの一人は、「現地の学生がとても「自由」なことに驚いた」と言っていた。「ラグビーのトレーニングの時、現地の学生は自分で考えて自由に動く。日本では形から入るけれど、彼らにはそれがない。各自がばらばらで全体の形がなく進む。」「でも、やるべきところはきちんとわかっているのがすごい。」
確かに日本のラグビーのトレーニングは、チーム全体でまとまって動くことが多いだろう。一人だけ違うことをすることは和を乱す行為にもなりかねない。けれどニュージーランドのラグビートレーニングでは、みんなばらばらに動いているように見える。
そして彼はこう続けた。「ラグビーだけではなくて、普段の生活でも、みんな自分で考えて自由に動いていることに、とても驚いた。この留学の経験から、自分の引き出しが一つ増えたように思う。」
また別の留学生は、「ニュージーランドの高校生達はみんな、ラグビーがやりたくて仕方がない、というのが伝わってくるんです。それが、コーチの言うとおりにやらされている感じがする日本と、全く違います。」と言っていた。
もちろん日本のラグビー選手でも、ラグビーが好きで好きでたまらなく、練習の時にうれしそうにボールを追っている若い選手もたくさんいる。けれど、だんだん年齢が上がってきて、中学生、高校生になり、強豪チームに入って、一年中毎日練習をして、チームとして試合に勝つことが目的になり、コーチの監視の下、形から入る練習をたくさんしていると、中には嫌々練習をしていたり、やる気があまり出なかったりする人も出てくる。
それに対して、ニュージーランドの高校生達は、みんなラグビーがやりたくて仕方がないように見えるという。
ニュージーランドの高校生は、12月、1月と学校も休みでラグビーもオフで、しかも2月にはまだ本格的にシーズンが始まっておらず、久しぶりに楽しくボールを追う時期、ということもあるだろう。でも、「日本では見られないくらい、みんな楽しそうにラグビーをしている」と日本からの留学生の目に写ったのには、他にもいろんな理由があるだろうと思う。
楽しそうに、でも自分で考えて、自由にボールを追いかける。そしてやるべき時にはきちんとやる。そんな環境と指導が、ラグビー王国ニュージーランドを支えているのかもしれない。
キックオフNZのSNS