東日本大震災から2年

2011年3月11日午後2時46分に宮城県沖で大地震が発生してから今日で2年が経つ。

この東日本大震災で、1万5千854名の方が亡くなって、3千155名の方が行方不明だとのことだ。先日ニュージーランド人の友達と東日本大震災の話をしているとき、「約2万人の人達が亡くなったり行方不明になったりしたのだ」と私が言うと、そのニュージーランド人はとても悲しそうな顔をした。

でもそう言った後、自分自身にものすごくいらだった。この地震と津波で2万人の方が亡くなったり行方不明になったから、大変な出来事なのだろうか?確かに多くの方が命を失ったりまだ行方がわからないことは、とても大きなことだ。でも、「2万人」と簡単に言葉にしてそれに対する悲しそうな反応を見ることで、一体私は何を理解し何を感じているのかと思うと、何もわかっていないことに愕然として、そんな自分がニュージーランドの人にわかったように話をしていることに、とてもいらだった。

東日本大震災で、家族や友達や大切な人を失った人にとっては、この出来事は、「約2万人の人達が亡くなったり行方不明になったりした東日本大震災」ではなくて、自分の家族や友達や大切な人を失った出来事、だろう。亡くなった1万5千854人の一人ひとりは、家族がいて、友達がいて、大切な人がいて、3月12日もその日と同じ日が続くと信じていて、次の休みには誰かと会う約束をしていて、その日に帰ってくる人のために夕食を準備していて、将来のために貯金をしていて、近況をしたためた手紙を書いていて、夢をもっていて、週末の予定を立てていて、桜が咲くのを楽しみにしていた、そんな一人ひとりだ。

だから、「約2万人の人達が亡くなったり行方不明になったりした」などという言葉では、その一人ひとり、その家族や友達や大切な人のことを、全く何も伝えることができないし、何も理解することはできないだろう。そして、そんな言葉をニュージーランドの人に向かって発することでしか東日本大震災のことを伝えることができない自分に、とてもいらだったのだ。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りしご遺族に慎んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

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