何もしない時間もとても大切

ニュージーランドの小中高校は、今スクールホリデーの真っ最中だ。このスクールホリデーは、春休みにあたる。

日本の学校と違い、授業はもちろんのこと、クラブ活動も何もないので、留学生たちは時間を持て余すことが多い。

そうすると、留学生本人や日本の親御さんから、「何かやることはないですか」とか、「やることを与えてあげてください」と言われることがある。

気持ちはとてもよくわかる。留学生たちも、日本ではぼーっとする時間などほとんどなかった人が多いから、何もしない時間が目の前にあると、どうしていいかわからない。

また親御さんも、せっかく留学費用を払ってニュージーランドに滞在しているのだから、時間を有効に使って、いつも忙しくして、そこからいろんなことを学んでほしいと考える。

でも、10代の間に、何もすることがない暇な時間を持てあます経験は、私はとても大切な時間だと思う。

その時間に、自分は一体何をするのか。

最初はずっとごろごろしていたり、スマホをいじっていたり、ゲームをしていたりするけれど、だんだんそれにも飽きてくる。目の前には、日本にない自然が広がっているし、日本では出会わない人もたくさんいる。そういう環境で、では自分は一体何をするのか、何がしたいのか、そんなことを自分に問いかける。

最初はやりたいことが見つからないかもしれない。何をどうしていいのかもわからないかもしれない。

でも、そんな何もしない時間を過ごしているうちに、なんとなく何かに手をつけ始めたり、なんとなくやってみたいことが出てきたりする。

そして、知らぬ間に、それに熱中して、あっという間に時間が過ぎる。

あるいは、本当はやらなければならないことがあって、それを今すぐにでもやるべきなのはわかっているけれど、なんとなくやる気が出ずに後回しにしていることもあるだろう。時間があれば、タイムマネージメントがなかなかできないそんな自分のことを振り返り、やっぱりこの時間にやるべきことをやってみようと、自分からそれをやりだす。そんな留学生もいるだろう。

タイパやコスパが流行っている最近。効率よくいろんなことで時間を埋めていこうとする。

子どもたちが何もすることがないと言えば、周りの大人たちがいろんなことを探して与えてやる。

それも悪いことではないけれど、何もすることがない時間を徹底的に過ごしてみて、そこから何が見つかるのか。自分は一体何がしたいのか。そして留学に何をしに来たのか。

そんなことをゆっくりと考えるのもとてもいい経験だと思うのだ。

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